第311話 ササニシキする |
投稿:院長 |
ある患者さんのご自宅に訪問した際、廊下に魚沼産コシヒカリが置いてあったのを見つけ、新潟県出身の私は大変嬉しくなり、「新潟の米を食べてくださってありがとうございます!」と患者さんに感謝しました。 コシヒカリの中でも、新潟県の魚沼地方で収穫される米は特に食感がよく旨味があるとされ、日本を代表するブランド米となっています。 私が小学生の頃、新潟のコシヒカリと宮城のササニシキではどちらが美味しいかという論争があり、私はまだササニシキを食べたこともないのに、ササニシキに相当な対抗意識を燃やしていたことを思い出します(笑)。 その後、冷害や害虫に弱いササニシキは作付面積を減少させた一方で、コシヒカリは品種改良が進み、今も全国的に栽培され続けています。東北地方の代表的な「ひとめぼれ」や「あきたこまち」などの馴染みのある米も、実はコシヒカリを品種改良したものなのです。 では、私が今まで一番美味しいと感じた米はなんでしょうか? 実は栗原産のササニシキなのです。栗原のマラソン会場で参加者に配られていたササニシキのおにぎりが、この上なく美味かったのです!食べた瞬間に、私が子供の頃に抱いていたササニシキへの対抗意識はすっかり吹き飛んでしまいました。 話が変わりますが、3月に行われたワールドベースボールクラシック(WBC)での、日本代表の活躍は記憶に新しいですが、その時に大きな話題となったことが、相手をリスペクトする(respect尊敬する、敬意を表す)という姿勢です。 野球の強弱、勝敗にかかわらず、野球をこよなく愛する者同士が、相手をリスペクトしながら戦う姿勢はとても清々しく感動的です。 さらに、私が最近、意識しているもう一つの言葉に、appreciate(相手の行動に対して感謝する、その良さや価値を認める)があります。 そして、私を取り囲む人々に対して、私がササニシキに抱いているような気持ちを持って接することを、今では個人的に「ササニシキする」と勝手に呼んでいます。 訪問診療でも、患者さんやご家族、協力してくれる事業所の方々に対して、まずは相手をリスペクトすると同時に、相手の良さを認めることから全てが始まります。 私一人では寂しいので、皆さんと一緒にササニシキしていきたいです! |
2023年5月29日(月) |
第310話 お手本 |
投稿:院長 |
ある患者さんが熊本に転居することになり、紹介先の選定が必要になりました。 熊本の在宅診療所のホームページを複数拝見したのですが、どの診療所に紹介するのか決めることができず、やはり地元の医療に精通している人から情報を集めた方がよいという判断になりました。 やまと在宅診療所や個人的なネットワークを通じて探したところ、ある診療所のドクターの人柄がよく、地元の医療に貢献すべく頑張っていらっしゃるとお聞きし、早速、この診療所に電話することにしました。 電話すると、職員の電話対応がとても丁寧で、院長先生にすぐに取りついで下さいました。院長先生は評判通り、口調がとても穏やかで、突然の電話にもかかわらず快く引き受けて下さいました。そして院長先生の理念が浸透した診療所の雰囲気に、とても温かく安心できるものを感じました。 このことを患者さんに伝えると、患者さんやご家族がとても喜んで下さいました。 また、一連の経過を職員に話したところ、安心できる紹介先が決まって皆喜んでくれました。 私が若い頃、内科で研修していた時のことですが、精査の結果、手術が必要になり同じ病院の外科に紹介することになりました。 しかし、術後の経過が思わしくなく、術後に集中治療室で人工呼吸につながれた患者さんと面会した時の患者さんの辛そうで悲しそうな表情を見て、紹介した側としてとてもショックを受けたことがあります。 それ以来、自分の担当を離れた患者さんが、落ち着いて過ごされているのか強い関心を抱くようになりました。そして、紹介先に責任をもって診療情報提供書を作成するように心がけています。 もし、当院が同じような事情で紹介を受けた場合、熊本の診療所の対応はとてもよいお手本になると感じ、是非「パクリ」たいと思っています(笑)。やまと在宅診療所あゆみ仙台の対応はとても温かいと言ってもらえるように。 |
2023年5月19日(金) |
第309話 忘れたくても忘れられない |
投稿:院長 |
5月1日は、あゆみホームクリニックとして開院2周年となりました。 当の私は、当日まで意識していなかったのですが、いつもお世話になっている訪問看護ステーションの皆さんが開院2周年のお祝いにフラワーギフトを贈って下さり、とても感謝感激しました。有難うございました! そして、5月5日は私の誕生日でした。 こちらも、普段通り仕事をしていたのですが、昼の休憩時間に、なんと職員がサプライズのケーキを用意し祝ってくれました。全く予想していなかったので、驚くと同時にとても感謝感激しました。 その日は、あまりに嬉しかったので、家族からも祝ってもらおうと、自分でケーキを買って帰宅しました(笑)。 昔は、こどもの日の誕生日を大いに自慢していたのですが、だんだん歳を重ねるごとに自分の誕生日を喜ぶことができなくなり、必死に忘れようと努力していたのですが、今年は生涯忘れられない誕生日になりました。 職員の皆さん、有難うございました! |
2023年5月9日(火) |
第308話 高所恐怖の克服の仕方 |
投稿:院長 |
都市部での在宅医療では、マンションに訪問するケースが多いのが特徴の一つです。 マンションでの訪問診療では、来客用の駐車場が狭く、時には路上に車を止めて運転手を残して訪問したり、最寄りのコインパーキングに駐車したりして苦心しながら訪問しています。 そして最近は、タワーマンションと呼ばれる高層マンションに訪問することも増え、今までの最上階はなんと29階です。 これほどの高所から眼下を眺めると、路上を歩く人や車がとても小さくなり、高所が苦手な私は、背筋を凍らせながら通路を歩くことになります。いくら命綱やパラシュートがあったとしても、バンジージャンプやスカイダイビングする人の気が全く知れません。 しかし、最近は高所にも少しずつ慣れてきて、タワーマンションの訪問を楽しめるようになってきました。 それは、青葉山近くのタワーマンションに訪問したことがきっかけです。 患者さんの部屋から外を眺めると、伊達政宗公の銅像がなんと同じ目線の高さにあり、仙台市街はもちろん、曲がりくねった広瀬川のせせらぎや、遠くには天まで透き通るような空と太平洋上を航海する汽船や牡鹿半島まで見渡すことができ、その景観がとても素晴らしかったのです。 そして、ある診療が立て込んだ日、このタワーマンションに訪問する頃には、あたりはすっかり夕闇に包まれていました。訪問が遅くなったことを患者さんにお詫びしながら部屋に入ると、窓の外から飛び込んでくる幻想的な夕焼けや仙台の夜景の美しさに目を奪われることになりました。 これは、患者さんとの出会いが与えてくれたご褒美に違いない・・・そう感じることができました。 伊達政宗公は、娘の五郎八姫(いろはひめ)が徳川家康の六男、徳川忠輝に嫁ぐ前に姫を仙台に呼び寄せた時、城下をろうそくや焚き火の明かりでライトアップさせ、姫を迎えたと言われています。なんと粋な演出なのでしょう!伊達政宗公が自分と同じような景色を眺めていたであろうと想像するだけで感慨深くなりました。 こうして私の高所恐怖症は、訪問診療を通して「高所快感症」に置き換わる日が来るかも?しれません。 |
2023年4月29日(土) |
第307話 ロジックと情熱 |
投稿:院長 |
訪問診療では、度々、患者さんの出血に遭遇します。 ある日、独居の男性患者さんが下血し、連絡を受け往診することになりました。 圧迫して止血できる場所なら私達でも対応できるのですが、消化管からの出血が止まらない場合、治療をするためには消化器専門医のいる病院に搬送するしかありません。 患者さんに病院で治療を受けるよう説得を試みたのですが、患者さんは絶対に病院には行かないという強い意志を示し、その日は説得を断念することになりました。 なかなか出血が治まらず、翌日、県外に住む親族の女性が心配して患者さんのもとに駆けつけ、患者さんの介護にあたることになりました。 この女性は、患者さんをまるで実の父親のように慕っており、患者さん宅に泊まり込み、献身的に介護する様子に心打たれることになりました。そして、患者さんに対する強い愛情が私にもひしひしと伝わってきました。 「どうか元気でいてほしい」 訪問診療では、極力患者さんの希望に沿って診療することが多いのですが、親族の女性のそんな想いを感じ取った私も、連日患者さんを説得することになりました。何より、病院で治療を受ければ十分に回復する見込みがあったのです。 「病院で治療を受けてまた元気になって戻ってきてくれませんか」 「どうか私達の願いを聞いてくれませんか」 そして3日目、貧血が進んだ患者さんをようやく説得することができ、救急車を手配し病院に救急搬送することになりました。 人を説得したり動かしたりする時、ロジック(論理や理屈)だけでなく、情熱や真心を相手に伝え、感情に訴えることが必要だと言われます。これは、国や自治体、会社、病院、診療所などあらゆる組織を運営したり、人と交渉したり、人を教育したりすることにも通じます。 この患者さんの場合、「貧血が進むと命にかかわるので病院で治療を受けましょう」というロジックだけでなく、「あなたのことを大切に想っている人のためにも治療を受けて元気になってほしい」という気持ちを伝えることが何より大切だったのです。 今回の事例を通して、人として自分のことを大切に想っていてくれる人の存在の大きさを改めて感じることができました。 |
2023年4月18日(火) |
第306話 共感力 |
投稿:院長 |
先日、患者さんの訪問診療でご自宅に到着した時、家の中から女性同士の賑やかな会話が聞こえてきました。 自宅に入ってみると、ちょうど訪問看護ステーションの看護師さんが、患者さんの娘さんと楽しげに話をしていました。 看護師さんが明るい声で「あっ、先生〜、今、ちょうど女子会をしているところでした!」 私「なんだかとても楽しそうですね〜!」 患者さんによって病状はまちまちで、介護する家族によっては悲観的な雰囲気になってしまうことも少なくありませんが、どんな場合であっても介護者が楽しいひと時を過ごすことはとても大切です。 男性の場合、会話が理屈っぽくなりがちで、要点だけ話をすれば、それ以上会話が続かないことも多いのですが、女性の場合、自分の気持ちを理解して共感してもらえる相手がいれば、何気ない話題であっても話が延々と続くことにいつも驚かされています。 また、患者さんの病状に変化があり、訪問看護より往診の依頼を受けても、当日のスケジュールや交通事情等で患者さんの自宅に到着するまでに時間が要することがあるのですが、その間も看護師さんがご家族の気持ちに共感しながら、ドクターの到着を長時間待っていてくれることがあり、いつも感心させられます。 話が変わりますが、私が研修医1年目の頃、訪問診療で初めて患者さんを受け持った時のことです。 患者さんのご家族から、若い医者が往診に来たということで大歓迎され、診察が終わったあとに昼食のカレーライスまでご馳走になったということがありました。私はもっぱら患者さんの娘さんの話を聞くだけだったのですが、医者としては半人前でも少しは共感力があったのかもしれません。 当時は病院の売店で買った食材ばかり食べていたのですが、久しぶりに家庭料理の味を堪能することができ、今となっては良い思い出になっています。 そして、この時の私の患者さん宅での滞在時間の記録は、今も破られていません(笑)。 |
2023年4月6日(木) |
第305話 遺言 |
投稿:院長 |
がんの終末期で在宅緩和ケアを受けていた独居の男性Iさんが、先日、ご自宅でお亡くなりになりました。 Iさんは、訪問診療が始まった頃、「往診なんて頼んだ覚えがない」「ほっといてくれ」と訪問サービスを担当する私達や、看護や介護スタッフに対して拒否的な態度で厳しい言葉を投げかけました。 ところが、まるで家族のように親身になってケアしてくれる訪問看護やヘルパーの方々対して次第に心を開くようになり、徐々に病状が進む中、訪問診療を担当する私達にも感謝の言葉を伝えて下さるようになりました。 「どうもありがとう」 短い言葉ですが、Iさんの発する言葉には不思議な力あり、逆に私達が癒やされることになりました。 そして、看取りの瞬間、その場に立ち会った訪問看護師さんの目から涙があふれていました。 Iさんが亡くなって1週間ほど過ぎたある日、Iさんの息子さんが診療所を訪れて下さいました。 「父を自宅で看取ることができてよかったです。ありがとうございました」 Iさんは、別居している息子さんに対しても、昔から厳しい態度で接してきたようですが、亡くなる直前はかけがえのない父と子供の関係を再確認することができたようです。 そして、「父が、自分が亡くなったらお世話になった人たちに渡すように言われていたものです」と洋菓子の詰め合わせを手渡して下さいました。私は、Iさんの遺志が宿っている心のこもった品に感動しながら有り難く受け取ることにしました。 実はIさんとは余命のことについて一切話をしていなかったのですが、自分に残された時間が短いことを悟り、死後のことについて、息子さんに一切を託していたのでした。Iさんは、立派に成長した息子さんの姿をみて、安心してバトンタッチされたに違いありません。 Iさんの優しさや人としての尊厳は、息子さんにもしっかりと受け継がれています。そして、また次の世代にも受け継がれていくでしょう。 そして、最期の瞬間まで自分らしさを貫いたIさんの姿は、Iさんに関わった人たちの心で生き続けるでしょう。 |
2023年3月24日(金) |
第304話 囲い込む |
投稿:院長 |
仙台市出身の囲碁棋士で、先日、囲碁の主要タイトルの一つである棋聖を防衛した一力遼さんの直筆サイン入りの本(田中章さん著:二刀流の棋士・一力遼)を手にする機会がありました。 本の中で、囲碁の実力を高めるためには謙虚さが大切な要素であり、その理由として、神が知っていることが100だとすると、人間がわかっていることはせいぜい5か6に過ぎず、ただひたすら残りの90%以上の未知の領域を追求していくしかないからだ、と述べられているのがとても印象に残りました。 どんなに成功を収めても、自分の技量を磨くことには限りがありませんし、謙虚にとことん物事を追求する姿勢は資質が備わっていないとなかなかできないことですし、またそういう姿勢が自分を成長させてくれるはずです。 そういえば、謙虚にその道を追求する姿勢は、囲碁にとどまらず、将棋のトッププロである藤井聡太五冠や羽生善治九段、野球の二刀流として大活躍している大谷翔平選手、IPS細胞の発見でノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥先生にも当てはまるのではないかと思います。彼らは成功を収めても、今なお、真摯に追求していくことをやめようとしません。 また、一力棋聖の直筆のサインには禅語の一つで「今、この瞬間を大切に生きる」という意味を表す「而今(じこん)」という言葉が書かれており、謙虚に物事を積み重ねて今に至った一力棋聖らしい言葉だと感じました。 この姿勢は、医療や介護の世界にも通じるもので、私も生涯勉強していこうと改めて思いました。 囲碁は対戦する二人が交互に碁石を置いて、自分の碁石で囲い込んだ領域を競う盤上のゲームの一つですが、その道を極めようとするトッププロには、人の心まで囲い込んでしまうような魅力が備わっているものだと感じ入り、すっかり一力遼さんの虜になってしまいました。 |
2023年3月15日(水) |
第303話 六拍子 |
投稿:院長 |
何回か脳梗塞を起こした結果、手足の麻痺や失語が残った状態で、ほぼ寝たきりの状態で退院した患者さんがいます。 しかし、帰宅後は、ご家族の方針で「自分でできることは自分で行う」、「介助や見守りが必要なところだけ家族が補う」という絶妙なバランスで介護を受けて過ごしていたところ、今では自力でトイレまで歩行し、衣服を着替え、簡単な言葉のやり取りができるようになりました。 病院では、患者さん一人では時間がかかってしまうようなことは、医療・介護スタッフが行ってしまうことも多く、リハビリを行う時間があったとしても、必ずしも実践的なものとは限りません(もちろん自宅の構造を意識して実践的なリハビリを行う施設もありますが)。 その点、自宅では、日常生活という実践の中から驚くほど身体機能が回復される方が少なくありません。 自宅では、病院より時間の制約が緩く、とにかく時間がかかってもいいから一人で行うという環境がむしろ患者さんの自立を促します。 また、この患者さんは無類のスポーツ好きで、いろいろなスポーツを自宅のテレビの大画面で観戦することが楽しみの一つとなっています。 スポーツ選手が躍動する姿を見て大いに刺激を受け、自分の生活に生かしているのでしょう。 先日、この患者さんの自宅を訪問した際、野球のワールドベースボールクラシックの開幕を間近に控え、JAPANの横文字の入った野球帽を被って、ユーモアたっぷりに出迎えて下さったのでとても嬉しくなりました。 野球では、総合的に優れた野手を「走る、打つ、走る(走攻守)の三拍子が揃った選手」と表現したりしますが、この患者さんは、今や、「歩く、食べる、出す(便)、話す、楽しむ」という六拍子が揃った家庭人なのです! |
2023年3月5日(日) |
第302話 宇宙人 |
投稿:院長 |
私は、0歳〜4歳児までが通っているある保育園の嘱託医を担当しているのですが、新型コロナウイルス感染症の流行がようやく落ち着いてきたので、先日、保育園に定期検診(幼児検診・乳児検診)に行ってきました。 数年前、保育園から嘱託医の依頼が来た時、「私は小児科の専門ではありませんので、小児科の先生にお願いしたほうが良いのではないですか?」と逆に質問したところ、保育園から「この地域で家庭医療を専門にしているドクターを探していましたので、星野先生にお願いしたいのです」という返事をいただき、この言葉を意気に感じて引き受けることにしました。 嘱託医を引き受けるまでは、長い間、高齢者医療を中心に、ほぼ成人ばかりを診察していたので、若い頃に小児科研修をしていた時に学んだことを思い起こしたり、改めて小児科の専門書を読んだりして検診に臨むことにしました。 この保育園の園庭には、砂場はもちろん、土を盛り上げて作られた遊具が数多く設置され、園児は職員が見守る中、裸足で元気に遊び回っていました。 子供が太陽の下で土に直接触れることで、五感を刺激して感受性を高め、コミュニケーション力、免疫の調整力を養うとされており、園児の成長を伸び伸びと支えるという保育園の理念が伝わってきました。 実際に園児を健診してみると、どの園児も表情が豊かで、肌はピチピチとして艶があり、歯もちろん、口の中がとてもきれいに清潔保持されているのでびっくりしました。 この日は30名以上の検診を行い、男児2名の停留睾丸を発見しました。これは睾丸が陰嚢に十分に降りてきていない状態で、不妊症の原因になったりすることがあり、泌尿器科の専門医のもとで十分な経過観察や治療が必要になります。日本の少子化対策にちょっぴり役立てたのではないかと思います。 ただ残念なのは、感染対策のため防護服姿で検診しなければいけないことです。子供たちにとって、私はどこかの惑星から来た「宇宙人」に見えたことでしょう。私の姿を見た途端、泣き叫んだりする園児もいれば、愛嬌たっぷりに話しかけてくる度胸ある(?)園児もいて反応は様々でした。 家庭医療は、今まで社会を支えてきた命、これから将来社会を支える命、今社会を支えている命など、あらゆる年代の人生に関わることが醍醐味の一つだと改めて感じました。 卒園を直前に控えた子供たちとは、これが最後の検診になり、少し寂しい気がしますが、早くコロナが収束し、私自身は一刻も早く宇宙人を卒業したい、そう思いました。 |
2023年2月23日(木) |