仙台市若林区の診療所  やまと在宅診療所あゆみ仙台 【訪問診療・往診・予防接種】


 第400話 節目
投稿:院長

今年もあとわずかになり、今年最後のブログは、とうとう節目の400話になりました。


年末年始は、私たち日本人にとっても大切な節目の時期です。


普段は離れて暮らす家族との団欒、友人との再会、自己啓発、初詣や初売りなど、日常の生活とは違った日々を楽しみにしている方も少なくありません。


私が訪問診療で心がけていることは、この節目の時期に患者さんが心穏やかに安定した状態で過ごしてほしいということです。


そこで、この時期は、病状が安定していない方や方針が定まっていない方に対する時間が増えることになります。


まず、一般的に紹介状と呼ばれる診療情報提供書の記載が普段よりも増えます。

例年に比べて今年は特に多く、体調不良で新たな問題が発見された患者さんの病院への紹介状、新たに老人施設に入所することが決まった患者さんの紹介状、他の専門病院に通院している患者さんの病状や治療経過を記した報告書、歯科治療を受ける患者さんの病状報告書など、毎日のように記載していました。


特に、後方病院に紹介する場合、年末の病院の診療予定を考慮しながら、ギリギリのタイミングで駆け込みのような形で紹介することになり、紹介を快く受け入れて下さった病院連携室の方々、関係する医師や看護師の方々にはこの場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました!


次に、病状が安定していない患者さん、病状が悪化した患者さんへの予定外の往診です。


特に今年はインフルエンザなど感染症で体調を崩す患者さんが多く、点滴で治療するのか内服薬で治療するのか、どの種類の薬剤を使用するのか、解熱剤はどうするのか、発熱以外の症状はどう対応するのか、患者さんごとにアセスメントして指示することになります。


今年は、1226日金曜日、1229日月曜日ともに、このような予定外の往診が10件ずつと過去最高になり、職員は患者さんがこの大切な時期に安心して過ごしてほしいという願いを込めて時間外まで診療調整したり、診療を手伝ったり、大活躍してくれました。職員の皆さん、どうもありがとう!


しかし、患者さんの中には、残念ながら年越しを前にしてお亡くなりになった方もいます。


しかし、患者さんそれぞれが時には辛いこと、悲しいこと、不安なことと向き合いながら、亡くなるその瞬間までその人らしく精一杯人生を歩んでこられたと思います。短い時間ではありましたが、伴走させていただきながら同じ空間、同じ時間を共有できたことは、私たちにとってこの上のない財産になっています。どうもありがとうございました!


ということで、今年の12月はとても慌ただしく、散らかってしまった診療所の「自分の机の上を今日こそ整理するぞ!」と宣言していたにもかかわらず、いまだに手つかずで、自分の机はとうとう節目を迎えられないまま年越しとなりそうです。


年明けは、自分の机の上の整理計画がどうか「机上の空論」になりませんように!

と祈りを捧げながら今年最後のブログを終了したいと思います。


皆さん、今年1年、どうもありがとうございました。どうぞ良い年をお迎えください!


2025年12月30日(火)

 第399話 雪かき
投稿:院長

仙台では、1214日の日曜日に数センチの積雪があり、早朝、自宅の玄関のドアを開けてみると、庭の芝生がすっかり雪化粧していました。


しかし、雪質が湿ってアスファルトやコンクリート上では、シャーベット状になっており、通行人がとても歩きづらそうです。


これを見て、雪国で生まれ育った血が騒ぎだし、収納してあったスコップを持ち出して、雪かきを始めることにしました。


まずは、玄関の前や駐車場の雪を片付けた後、自宅の前を歩く人達が歩きやすいように歩行路の除雪に移ります。


私が育った新潟の田舎では、雪の積もった朝、自宅の前の道路に積もった雪を隣家まで道踏みしたり除雪したりをするという暗黙の決まり事があり、自宅から隣の家へと続く地域内の道路ネットワークは、こうした住民の共同作業によって維持されていましたが、仙台ではそのような決まり事はありません。


満足度は、結果を期待で割った分数(満足度=結果/期待)で表すと理解しやすいとされています。


つまり、納得する結果を出して分子を大きくするか、事前の期待が少なくて分母が小さくなる方が、満足度が高くなるということです。


これを雪かきに当てはめると、同じ雪かきをしても、雪国では除雪が当たり前になっているのでその有難みが小さく、一方、仙台では雪国と違い、雪が降っても除雪が完了して歩行路が確保されているという期待がもともと少ないので、除雪をすれば通行人の満足度が大きくなるということになります。


スコップを持って道路に出た私は、まず、道端に幅50pほどの歩行帯ができるように除雪していきます。自宅前の除雪が終わると、お年寄りが独居で暮らしている臨家に歩行帯を伸ばし、次に、除雪が済んでいない自宅から200mほど離れたマンション前まで、さらに歩行帯を伸ばしました。


そろそろ除雪を終了しようかと自宅に引き上げようとすると、道路の反対側で立ち往生している3歳ほどの幼児を連れた母子の姿が目に入り、今度は道路の反対側に移り、100mほど歩行帯を作ってこの母子を誘導しました。


「ありがと」


幼児からもらった、かわいらしい感謝の言葉に私は思わずニンマリ。


その後は、自分が作った歩行帯を歩いている通行人の姿を眺めながら、「この人たちはきっと自分の雪かきに満足しているに違いない」と自己満足に浸りながら、休日を気分よく過ごすことができました。


ところが、すぐに雪解けが進み、翌日には私の作った歩行帯は跡形もなく消えてなくなってしまっていました。


冬道や自己満足が夢の跡


ということで、これからも私が雪かきで自己満足するために、仙台では雪が降っても「雪かきが当たり前にならない」ように祈っているところです。


2025年12月23日(火)

 第398話 長寿の源泉
投稿:院長

当院では105歳を超える超高齢者を2名診療しています。


先日、このうちの一人であるIさんの診察にうかがいました。


Iさんは、今も歩行はもちろん、身の回りのことが自立しているスーパーセンテナリアンです(数年前までは確定申告の計算もされていたとか)!


元気な超高齢者で共通していることは、ちょっとした体調不良があっても必ず回復することです。


Iさんは、11月に発熱や血便などがあり、自宅で点滴を受けて静養していましたが、数日後には何事もなかったように見事に復活されました。


Iさん家では茶道教室を開いており、Iさんも以前は茶の湯・裏千家の指導をされていたそうで、現在はお嫁さんが引き継いでいます。

というわけで、Iさん家を訪問するとお茶が出てくる確率が高く、診療アシスタントから事前に作法を教えてもらいました。


「お茶を飲む前にお菓子をまず食べて、両手で茶碗を持って時計回りに2回転して茶碗の正面を自分に向けて飲むといいようです」


診察が終わるころ、期待通り?お嫁さんがお茶を立てて下さいました。


アシスタントの言う通りに、まずお菓子を食べてからお茶をいただこうとすると、さっそくIさんとお嫁さんから指導が入りました。


「左手でお茶碗を下から支えて、右手を右側に添えてください」

「お茶碗は、時計回りに180度回転させるように23回で回してください」

「回し終わった後、茶碗の図柄がある方を自分とは正反対の正面に向けるようにしてください」


あららら・・・アシスタントの事前の説明とずいぶんと違うな〜・・・・(汗)。


といった調子でハプニングがありましたが、無事にIさんの茶道教室・・・ではなく、診察を終了してきました。


茶の湯の作法を指導してもらうのはこれが初めての体験でしたが、Iさんの「長寿の源泉」が身体に染みわたって、なんだか自分の寿命が延びた感じがしました。


というわけで、次回のIさんの訪問では、診療アシスタントの「裏目千家」ではなく、本物の裏千家の作法をしっかりと学習してから茶の湯に臨みたいと思います(笑)。


2025年12月11日(木)

 第397話 オープンカー
投稿:院長

訪問診療では、ご主人の介護にとても献身的な奥さんが少なくありません。


夫が病状の悪化で入院したり、種々の理由で老人施設に入所した時、家族と離れて過ごすことになって寂しい気持ちを解きほぐしてくれるのは、家族の面会です。


離れ離れになった時、住み慣れた自宅では当たり前のような存在が、実は自分にとって最も大切だったと気付かされるのは、夫だけではありません。


今はお亡くなりになったKさんが入院した時、奥さんは自宅から片道10q以上離れた病院まで、大切な人と会うために、雨の日も風の日も雪が舞う日も毎日毎日通い続けたそうです。


Kさんが自宅に退院した日、初めてKさんの自宅を訪問しました。


Kさんは、ほとんど話すことができない状態でしたが、奥さんはKさんの帰宅がとても嬉しそうです。


奥さんと話をしていると、毎日病院に通い続けたことが話題となりました。しかし、奥さんは車の免許を持っていないので、きっとバスを乗り継いでいたのだろうと思って聞いてみると、奥さんから、屈託のない笑顔で「オープンカーです!」と答えが返ってきました。


えっ、オープンカー?


それは・・・実は自転車のことだったのです!


奥さんが小麦色に日焼けしているのは、毎日毎日夫に面会するために自転車で病院に通い続けたからだったのですね〜。


初めての診療が終わり、Kさんの自宅を後にする時、玄関のドアの前に止めてあった「オープンカー」が目に入りました。


少しさび付いて、けして新しくはないこの自転車が、Kさん夫妻の絆を結び付けていたのかと思うと、とても感慨深くなりました。


話は変わりますが、今、私は、地球温暖化に対して個人でできることとして、仙台市内の移動はできるだけ自家用車を使わないようにしています。


通勤は、もちろんKさんの奥さんを見習って、子供が中学校時代に使って乗り古した「オープンカー」。


Kさんの奥さんの十分の一の距離を、このオープンカーで季節の移り変わりを感じながら走っています。親子の絆を確かめるように。


2025年11月29日(土)

 第396話 金言
投稿:院長

今回は、今年、老衰でなくなったSさんと奥さんの感動の秘話についてです。


Sさんは、奥さんと二人暮らし。長年、奥さんの献身的な介護で穏やかに過ごされていました。


当院が数年前に民放で取り上げられた時、Sさんの訪問診療の風景がテレビで流されました。テレビ局の撮影にあたり、Sさんを選んだ理由は、Sさんの家庭がとてもアットホームで訪問診療のあったか〜い風景を届けられると感じたからです。


Sさんの体調が悪化して奥さんの介護負担が強くなり、一時、老人施設に入所されていた時のことです。


食欲が落ち、ほとんど食事が喉を通らなくなり、連日、奥さんが自宅から通ってSさんのそばに寄り添っていました。


言葉を話すことができなくなったSさんは、メモ用紙に「家に帰りたい」と記して奥さんに帰宅の意思を伝えていたようでした。


私は、Sさんの希望を叶えて、自宅で看取りたいという奥さんの気持ちを察し、亡くなる1週間前にSさんは我が家に帰宅することになりました。


それからの1週間は、帰省した娘さんも一緒になって家族で過ごし、とても貴重でかけがえのない時間になりました。


Sさんをお看取りした直後、奥さんは、Sさんから施設で渡されたというメモと、メモをしている様子を撮影した写真を見せて下さいました。


そこには、「〇〇子よ(奥さんの名前)、感しゃするよ 元気でくらせ かねもちになれ」と記されていました。


短い言葉の中にも、ユーモアを交え、なんという思いやりと優しさに溢れた言葉なのでしょう!


奥さんは、Sさんのこの“金言”を胸に、これからも心豊かに過ごされていくに違いありません。

 


2025年11月25日(火)

 第395話 ただでは起きない
投稿:院長

スポーツを観戦して感動したり、元気をもらって生きる力になったりすることが多いです。


最近は、アメリカ大リーグのドジャースの試合が連日BSで放送されるようになり、大谷翔平選手をはじめ日本人選手の活躍が話題になることが多くなりました。


特に今年のワールドシリーズは、私が観た野球の試合の中でも1〜2位を争うようなドラマチックな展開となりました。


Sさんは、進行がんの患者さんで、食欲が落ち、ベットで横になって過ごすことが多くなってきました。


痛みなどの苦痛に対して、麻薬などの症状を緩和する薬剤が欠かせず、最近ではせん妄も出現したり、症状が不安定になってきました。


しかし、ドジャースの試合を観戦することが大好きで、試合中は苦痛を忘れたかのように夢中になってテレビを観ていました。


ある日、Sさんを訪問した時のことです。

その日はワールドシリーズ第3戦で、大谷翔平選手がホームラン2本を打って4安打の大活躍を見せていました。しかし、試合は延長戦に入り、どちらが勝つのかSさんはベットに横になったまま固唾をのんでテレビにくぎ付けになっていました。

私は、Sさんの邪魔にならないように、最近の様子は奥さんから聞き取るようにして、薬の調整をすることにしました。


診察が終わって部屋を出るとき、「今日の試合でドジャースが勝ったら、Sさんは元気100倍になるでしょうね!」と奥さんに声をかけて自宅を後にしました。


診療が終わって、後で試合結果を確認すると、延長18回裏にフリーマン選手がホームランを打ってドジャースが劇的なサヨナラ勝ちを収めたことを知りました。


18回も闘って最後に負けなくて良かった〜」


その後も、まるで高校野球の試合を観ているかのようなドラマチックな試合が続き、山本由伸選手の大活躍もあって、43敗でドジャースが見事に2年連続でワールドチャンピオンに輝きました。


ドジャースが優勝した瞬間、真っ先にSさんのことが頭を過りました。


Sさん、本当によかったですね。おめでとうございます!」


それにしても、ドジャースの試合は、勝つときは手に汗を握るような薄氷の勝利で感動的なのですが、負けるときは中継ぎ投手が大乱調で大量失点し、あっけなく負けてしまうのが特徴です。


これは、きっと「勝ち目のない戦いでは深追いせず、無駄な労力を費やして大きな精神的なダメージを被る前に潔く見切りをつけ、次の行動に移しやすい」ということなのかもしれないと、ポジティブに捉えることにしています。


こう考えると、大敗は後で感動を呼ぶためのお膳立てなのかもしれませんね。


派手に転んでも、医者の手を借りずに?絶対にただでは起きないドジャースの今後の戦いぶりに目が離せません。


2025年11月11日(火)

 第394話 身近に感じるノーベル賞
投稿:院長

今月、スウェーデンのカロリンスカ研究所よりノーベル賞受賞者が発表され、日本から生理学・医学賞には、坂口志文さん(大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授)と、化学賞には北川進さん(京都大学副学長)さんが選ばれました。おめでとうございます!


ノーベル賞受賞者に共通するのは、時には批判を浴びたり、孤立しながらも揺るがぬ信念に基づいて問題を追求し続けた粘り強さ、忍耐力とだと思います。日本人としてとても誇らしいです。


ノーベル賞は、人類の営みに対して多大な貢献をした研究者に贈られる賞です。


お二人の研究も、これからの臨床や地球環境に多大な恩恵をもたらすのではないかと期待されています。


やまと在宅診療所あゆみ仙台でも、ノーベル賞の恩恵を感じられることが度々あります。


今から遡ること10年前に大村智さん(北里大学特別栄誉教授)がノーベル医学生理学賞を受賞されましたが。大村先生は、様々な寄生虫に対して高い有効性を示すイベルメクチンという薬剤を開発しました。当時、アフリカを中心とする地域で多発していた寄生虫病オンコセルカ症やフィラリア症(象皮症)に対して、北里研究所から何億という人々にイベルメクチンが無償供与された結果、一部に地域ではオンコセルカ症の撲滅を達成するなど、この地域の医療に対して多大な貢献をされました。


先日、当院が担当するGさんの診察をしていた時、ご家族より「便から虫が出てきました」とスマートフォンで撮影された1枚の写真を見せられました。そこには便に混じって白いミミズのような線虫(回虫)と思われる寄生虫が写っていました。実は、医師になってからこのような寄生虫を見るのは初めてで、とてもびっくりしましたが、その瞬間、私の中には大村先生の名前と顔が頭に浮かびました。


早速、商品名「ストロメクトール」として流通しているイベルメクチンをこの患者さんに処方して、1週間の期間を置いて2回服用してもらったところ、それ以降、この寄生虫の排泄がピタリとなくなってしまったのでした。


さらに、それ以前には、ある老人施設で疥癬(かいせん)という寄生虫の皮膚症状が流行った時、昔はあらゆる手段を使っても駆除に苦労していたこの寄生虫が、イベルメクチンをたった数回服用するだけですっかり完治してしまったので、それ以来、イベルメクチンは私の中では絶対忘れられない薬剤の一つになりました。


一方、日本を代表する作家・村上春樹さんが、今年もノーベル文学賞に選ばれませんでした。


私をはじめとする一部の大ファンにとってどうして受賞できないのか?「腹の虫が収まらない」という残念な結果となりましたが、イベルメクチンを通して発展途上国の多くの人々の命とやまと在宅診療所あゆみ仙台の患者さんを救った大村先生の偉大な業績を身近に感じて、心の慰めにしているところです。


2025年10月31日(金)

 第393話 総合診療
投稿:院長

今月、プラモデル制作で有名なプロモデラーによる講演会が仙台で開催されることを知り参加してきました。


この講演会には、宮城県や遠くは関東からプラモデルを趣味とする「オタク」が自作したプラモデルと持ち寄って集まり、それぞれの自慢の作品について添削・指導を受けたり、製作上の悩みについて相談に乘ってもらう企画があります。


私は、日本でよく知られている船や宇宙船のプラモデルばかりを作っていますが、その中から、今年6月から制作を開始し、今も悪戦苦闘して未だに完成していないアメリカ海軍の戦艦ミズーリを持っていくことにしました。


戦艦ミズーリと言えば、194592日に東京湾に停泊していたミズーリの甲板で行われた日本の降伏文書調印式です。日本側は重光葵外務大臣らが全権代表として出席し、連合国側はマッカーサー元帥などの代表者が降伏文書に署名し、太平洋戦争が正式に終結しました。


この戦艦ミズーリのプラモデルは、数十年前にタミヤから発売されたとても古いキットなのですが、当時の最新の考証に基づいた正確な設計が反映され、各パーツが丁寧に造形されており、製作していると「モノづくり日本」を随所に感じられる、そんな素晴らしさを感じました。


せっかく作るのだから、できるだけ正確にきれいに作りたいという気持ちになり、このプラモデルに他社から発売されているエッチングパーツという細かい金属を加工して接着したり、専用の工具を使って各パーツごとに塗装していくことになりますが、このプロセスがとても難しく、きれいに・・・という気持ちが強くなればなるほど、泥沼にハマってさらに時間がかかってしまうことになりました。


それでも講演会の当日は早朝4時に起床して、開始時刻ギリギリまで制作したところ、未完成ながらもなんとか形になり、丁寧に段ボールで梱包し、まるで生まれたての赤ちゃんを大切に抱っこするように会場に運びました。


会場では、私のような船のモデルは少数でしたが、それぞれの参加者の工夫が随所に見られて目の保養になりました。


プロモデラーによる添削・指導では、細かい造形の失敗には目をつむって下さり?甲板の細かい塗装の塗り分けについて、お褒めの言葉をいただき、少年のような気持になってモチベーションがさらに高まりました。


講演会で驚かされたのは、プロモデラーの豊富な経験と知識です。


プラモデルはガンダムやフィギュア、戦車、車、軍艦をはじめとする船、宇宙船など多岐にわたりますが、参加者のどんな質問や悩みに対しても実用的で的確な答えが返ってくるのでとても勉強になりました。


まさにプラモデルの総合診療!もちろん、私の疑問や悩みも無事に解決。


総合診療は私の医師としてのライフワークになっていますが、プラモデルを通して信頼される仕事の取組み方について考えるよい機会にもなりました。


ところで、私がプラモデルにハマればハマるほど完成品を安全にどの場所に置くのか問題が発生しています。


自宅では家族に煙たがられ、職場に持ち込んでも職員の増員によりスペースが確保できなくなり、事務長に「持って帰ってください」と言われる始末・・・。


現在、来たる総理大臣の指名選挙に向けて各党入り乱れた政策協議が続いていますが、我が家でも「安全保障」と「難民対策」について取り組みが必要なようです。



2025年10月17日(金)

 第392話 約束
投稿:院長

当院の患者さんは、これまで波乱に満ちた人生を歩んできた方が少なくありません。


80代のKさんもそんな一人で、若い時はヤクザの道に手を染め、犯罪を犯して収監されたことがあるそうです。


犯罪の内容は、恐喝?暴行?詐欺それとも・・・。(聞くのが怖い)


Kさんは物静かでいつも淡々と話をされる方ですが、犯罪の内容を話したがりません。


しかし、刑期が懲役1年と聞いて、固唾をのんで聞いていた私は安堵したのでした。


若かりし頃のKさんを救ったのは裁判官です。


Kさんに判決を言い渡す時、温情溢れる言葉でKさんに語りかけ、2度と同じ過ちを犯さないようにKさんを優しく諭したそうです。

きっと裁判官は、裁判に臨むKさんの姿を見て、この人物ならば絶対に更生できると信じたに違いありません。


1年の刑期を無事に終えたKさんは、晴れて出所することになりますが、その後は裁判官との約束を守り、極道の道ときっぱりと決別し、更生の道を歩み続けました。


そして現在、熟年婚で結ばれた奥さんの介護を受けながら幸せな結婚生活を送っています。


賑やかでよく喋る奥さんと物静かなKさん。


対照的なカップルですが、2人から醸し出される話題は事欠きません。


ある日、奥さんが外出する際に、Kさんに飼い猫のエサを渡して、猫がKさんの布団に潜り込んできたら食べさせるように伝えておいたそうです


ところが、腹を空かしていたKさんは、なんと猫のエサを食べてしまって、奥さんに怒られてしまったのでした。


裁判官との約束を守っても、猫のエサを“ネコババ”して、奥さんとの約束を破ってしまったKさん。奥さんから下される判決はいかに?


2025年10月12日(日)

 第391話 幸せの・・・
投稿:院長

Sさんは80代の男性です。1年前に食欲や体力の低下があり、訪問診療を受けることになりました。


今まで投与を受けていた種々の薬剤の調整を行ったところ、少しずつ食欲が戻り、この暑い夏も元気に過ごされました。


Sさんはとても温厚でいつもニコニコと診察に応じてくれる優しい方ですが、昔は付き合いなどで夜遅くなり、家族に心配をかけたことがあったそうです。


一方の奥さんは、とても明るくてハキハキとした方です。


そんなSさんですが、昔の負い目があるのか、自宅では完全に奥さんが主導権を握り、奥さんには頭が上がらないようです。


その雰囲気がとても微笑ましく、診察ではいつも私と奥さんの間で明るい言葉が飛び交い、賑やかな雰囲気で診察が進みます。Sさんは、その言葉にニコニコと耳を澄まして聞いています。


Sさんがここまで元気を取り戻した理由として、父思いで父の健康管理には少し厳しく接している娘さんの献身的な介護や、訪問看護師やデイサービスをはじめとするスタッフの思いやりに溢れたケアが欠かせません。


ある日の診察でのやりとりです。

私「Sさんは、いつも幸せそうですね」

奥さん「そうでしょ〜先生!そうなの、こんなに幸せな人はいないわね!」

私「Sさんの身体はいろいろな人のケアが行き届いていて、皮膚のトラブルがあっても、必ず良くなりますもんね」

奥さん「そうすると、この人の身体は、いろんな人の思いやりが詰まった塊(かたまり)なのね!」

私「Sさんを見ていると、男性は歳を取ったら威張り散らすのではなく、奥さんの尻に敷かれているほうがよっぽど幸せに暮らせそうですね。なんたってSさんは、幸せの塊ですから!」


ということで、Sさんは皆の想いが詰まった希望の星・・・ではなく、「希望の塊」と認定されることになりました。


Sさん、皆の想いを背負うことはとても責任重大です!今よりももっと幸せになりましょう!


2025年9月30日(火)

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