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第188話 人生相談 |
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投稿:星野 |
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新聞や雑誌には、読者が抱える悩みを精神科医、著名人が相談の乗る人生相談というコーナーがありますが、アドバイザーにより、いろんな回答があって、参考にしています。その中でも、個人的に最も好きなアドバイザーは、スポーツ解説でおなじみの増田明美さんで、とにかく相談者に寄り添い、アドバイスがとても温かくポジティブです。
増田さんの回答は、まず相談者の長所や魅力を率直に指摘し、自分の長所を生かすための心の持ち方、具体的な行動を順に示しており、とても参考になることが多いのです。
以下に、交友範囲が広く、大好きな彼から不信感を買っているという悩みについての相談と、増田さんの回答を掲載します(mixiの増田明美の人生相談から抜粋)。 相談内容 20代の公務員女性。付き合って1年くらいになる男性がいます。尊敬できる人で、一緒にいてとても楽しく、幸せです。でも、その人は私のことを信用してくれません。私は元々、男女分け隔てなく接することのできる性格で、交友関係が広いのです。彼はそんな私に「愛想を振りまきすぎで、男に好かれたいようにしか思えない」と言いました。
この相談の中で、「あなたは社交的で魅力的な人」と相談者の魅力を称賛し、「彼よりも一枚上をいって彼の心を広くする努力をしていきましょう」と自分の長所を生かす心の持ち方を伝え、「友達に私の恋人ですと彼をどんどん紹介してみましょう」という具体的な行動をアドバイスしています。そして、「彼に合わせるだけでは恋愛は長く続かない。真の愛情を育み、彼の包容力を育ててほしい」とさりげなく現在の付き合い方の危うさも指摘し、良い恋愛に発展するように願っているです。
ちなみに私がアドバイザーだったら・・・。
「マザコン」、「やたらプレゼントしてくる」、「嫉妬深く行動を監視したがる」、「金を無心してくる」男とは付き合うのはやめたほうがいいよ!
ちょっと包容力のない回答になってしまいました(笑)。 |
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2020年9月23日(水) |
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第187話 手をつなぐ |
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投稿:星野 |
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ある集合住宅に住む患者さんの診療に伺った時のことです。
この集合住宅の掲示板には、町内会の皆さんが作った「暖かい地域づくりの十の心構え」が掲げられていました。
その十の心構えのうち、個人的に最も強く印象に残ったのは、10番目に書かれている「してあげるのではなく、共に手をつなぎましょう!」でした。
「してあげる」というのは、上から目線の考え方で、私たち医療介護職は、患者さんのためと言いつつ、ともすると「訪問してあげている」「診察してあげている」「薬を出してあげている」「介護してあげている」という意識が知らず知らずのうちに生まれやすいものです。
以前、この集合住宅に診察に来た時のことですが、見回りをしていた自治会長と思われる年配の方から、往診車の駐車場所について厳しく注意を受けたことがあります。
この時は、「せっかく訪問診療に来たのにとても厳しい人だ」と感じたのですが、後から振り返ってみると、この時すでに「訪問診療をしてあげているのに・・・」という邪念が私の心に生まれていたのです。
今更ながら、この思い上がった精神に対して大いに反省しているところです。
話が変わりますが、この「手つなぐ」という言葉には、絆、親愛、信頼などの感情が含まれていますが、手をつなぐという行為の中には「恋人つなぎ」というものがあり、なんと「指を絡めて手をつなぐ」のだそうです。益々、二人の愛情が深まるかもしれませんね。
コロナ禍の中、手をつなぐことさえも自粛している人が多いと思いますが、この感染症が終息した暁には、愛する人と指を絡めて手をつないでみてはいかがでしょうか! |
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2020年9月17日(木) |
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第186話 素晴らしい記憶と共に |
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投稿:星野 |
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訪問する患者さんの自宅には、様々な「お宝」を発見することができます。
Bさんの部屋には大きくて立派な賞状が飾られていました。 それは、今は亡きご主人が勲章を受賞されたときのものです。 笑顔が素敵なBさんは、何年も何年もご主人の帰宅をその優しく穏やかな笑顔で迎え続けたに違いありません。 傍らの娘さんは「父の仕事で様々な場所に行きましたが、父のおかげでたくさんの人と巡り合えました」と誇らしげです。
私はBさんに言いました。「この勲章は、ご主人の努力と家族の内助の功の賜物ですね」 Bさんの家族は、今も良き夫、良き父と過ごした素晴らしい記憶と共にあります。
ところで、賞状には、交付された当時の内閣総理大臣の名が記されていました。 私は、Bさんのご主人が受賞された勲章を通して、当時の記憶を呼び起こし、回想することができました。
あの時代は・・・。
今、次の内閣総理大臣を決める自民党総裁選挙の真っただ中です。 勲章は、個人の功績や業績を称え国が表彰するものですが、その賞状には、永遠に時の内閣総理大臣の名が刻まれます。
次の内閣総理大臣には、将来、多くの人々にとって良い時代だったと回想できる人が選ばれてほしい、個人の栄誉にふさわしい人が選ばれてほしい、そう願わずにはいられません。 |
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2020年9月11日(金) |
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第185話 お茶の心 |
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投稿:星野 |
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私の実家は新潟の田舎にありますが、子供の頃、自宅に人が来るたびに「お茶でも飲んでいってください」と室内に招き入れ、客人をもてなすことが当たり前でした。
そして、年月が経ち、私もいよいよ中年になり、時代も風習も土地も違う場所で訪問診療を行うようになっても、患者さんやご家族から「お茶でも飲んでいってください」と声を掛けられることが少なくありません。
時代を遡っていくと、お茶で客人をもてなす風習は、安土桃山時代の茶人・千利休の「茶の湯」に端を発しているようです。
千利休は、茶道の作法や精神を「利休七則」で説いています。
それは、「常に心にゆとりを持ち、誠実に準備を行い、相手の気持ちを思い量りながら、お互いが最も心地よいと感じられるよう心を配る」ことであり、お茶の精神とは、単なる作法ではなく、人との出会いに感謝し、相手への尊敬を示す「おもてなしの心」にあるのです。
ある高齢のAさんが自宅で転倒し、足の痛みで身動きがとれないという連絡があり、往診に駆け付けた時のことです。
ご家族から聞き取った転倒の状況や診察の結果から、大腿骨頸部骨折と考えられました。
しかし、診察の終わりにAさんは、ベッドに横になったまま穏やかな表情で「ご苦労様です。お茶でも飲んでいってください」と声を掛けて下さいました。
この時、脈々と受け継がれ、どんな状況に置かれても失われない日本人の崇高な心と、Aさんがこの世に生をうけてから灯し続けてきた人としての温かさに触れ、胸が熱くなる思いでした。
そして、何があっても長年住み慣れた自宅でとことん過ごしたい、過ごさせたあげたいという当初の気持ちを再確認し、入院せずに自宅で生活していくことになりました。
「お茶でも飲んでいってください」
何気ないこの言葉に込められた意味をこれほどまでに強く、そして深く感じたことはありませんでした。
Aさんの一刻も早い回復を祈りながら、またいつかAさんとお茶を楽しむ日を心待ちにしています。 |
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2020年9月6日(日) |
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第184話 ありのままの自分 |
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投稿:星野 |
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病気を克服するためには、絶対にあきらめない強い意志を持つことが必要です。
しかし、医学がどんなに発達したとしても、最も優れた治療を受けたとしても思い通りの結果にならないことがあります。
特に、まだやるべきことがある、まだやりたいことがある場合、現状を受け入れられずに人は深く悩みます。
今まで、子供たちにとって強くて逞しい父であった場合はどうでしょう?
「子供たちにとっていつまでも強い父であり続けたい」 「弱い自分の姿を子供たちに見られたくない」
もしかしたら、そういう思いが、本音で語り合うことも、一番必要としている家族の力を得ることも妨げているかもしれません。
私たちは、人間である以上、いつか弱っていく自分と対峙する勇気が必要なのです。 弱いありのままの自分を、人にさらけ出す勇気が必要なのです。 そして、素直に自分の気持ちを伝えてみましょう。
たとえ、ありのままの自分をさらけ出したとしても、人としての尊厳や、今まで築いてきた父としての輝きが何一つ色あせることはありません。
これまで自分が歩んできた人生を振り返った時、自分が生きてきた意味を見出し、心穏やかに過ごす力を与えてくれるに違いありません。 |
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2020年9月1日(火) |
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第183話 待つということ |
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投稿:星野 |
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新型コロナウイルスの感染拡大による生活の変化の中で、面会や外出の自粛や制限、身体を動かす時間の減少などにより、約40%の認知症患者に認知機能の悪化が認められたとする報告がありました。
その一方で、平時とまったく変わらない様子で生活されている高齢者も大勢いらっしゃいます。
そんな高齢者の生活を考えた時、ある一つの共通した特徴が思い浮かびます。
それは、大切なご家族の存在はもちろんですが、心待ちにしている人がいるということです。
いつも丁寧に身体のケアをしてくれるお気に入りの訪問看護師の皆さん いつも優しく体を洗ってくれる訪問入浴のスタッフの皆さん いつもと変わらない包み込むような表情で迎えてくれる教会の牧師さん いつも自分の孫のように接してくれるケアマネージャーの皆さん いつも前向きな言葉でリハビリを指導してくれる訪問リハビリのスタッフの皆さん いつも明るく歓迎してくれるデーサービスやショートステイのスタッフの皆さん そして私?(笑)
この暑い夏の終わりも、もうすぐそこまでです。
そして、新型コロナウイルスの感染拡大の終わりも、もうすぐそこまで・・・と信じ、人を信じ、待ち続けたいものですね。 |
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2020年8月28日(金) |
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第182話 半沢直樹から学ぶビジネス論 |
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投稿:星野 |
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池井戸潤さん原作の半沢直樹シリーズのドラマが人気です。
金融市場を取り巻くビジネスの世界の光と闇を描いた番組で、「倍返し」という言葉がすっかり有名になりました。
しかし、堺雅人さん演じる半沢直樹が、部下に対してビジネスマンとしてのプライドや誇りを伝え、彼らにエールを贈る場面は、医療者にとっても心に響く言葉が多いのです。
ということで、このドラマを見る時、メモが必需品になりました。
今日は、そのうちのいくつかを紹介したいと思います。
仕事に対する姿勢 「忘れるな。感謝と恩返しだ。その二つを忘れた未来は、ただの独りよがりの絵空事だ。これまでの出会いと出来事に感謝し、その恩返しのつもりで仕事をする。そうすれば明るい未来が開けるはずだ」
仕事の大原則 「仕事は客のためにするもんだ。ひいては世の中のためにする。その大原則を忘れた時、人は自分のために仕事をするようになる。自分のためにした仕事は、内向きで、卑屈で、醜く歪んでくる」
正しい組織論 「一つ、正しいことを正しいと言えること、一つ、組織が世間の常識と一致していること、一つ、ひたむきで誠実に働いたものがきちんと評価されること」
勝ち組とは 「どんな会社にいても、どんな仕事をしていても、自分の仕事にプライドを持って、日々奮闘し、達成感を得ている人を本当の勝ち組と言うんじゃないかと、俺は思う」
伝統とは 「どんなに素晴らしい伝統も、それに縛られて生きる力を失えば未来を引き継ぐことはできない」
半沢直樹の言葉に、エネルギーをもらう人もいれば、頭が痛い人もいるでしょう。
半沢直樹は、自分を陥れようとする上司、時には巨大な権力を目の前にしても、臆することなく主張し、渡り合い、まるで理不尽な世界に悩む人の代弁者になっているかのようです。
しかし、打倒しても打倒しても、もぐら叩きのように次から次への現れる敵を前に、相当なストレスを抱えているはずです。
いくら正義と言っても、「倍返し」をスローガンして復讐を続ける人生では、けして長い間にわたって健康でいられません。 半沢直樹シリーズはこれからも続いてほしいけど、やればやるほど半沢直樹の寿命を心配するファンのつぶやき(?)でした。 |
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2020年8月25日(火) |
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第181話 時が早く過ぎてしまう理由 |
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投稿:星野 |
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今年もすでにお盆の時期となりました。
年齢を重ねるにしたがって時間の経過がとても早く感じられてしまうのですが、これには理由があるのです。
19世紀のフランスの哲学者ポール・ジャネが発案したジャネ−の法則によれば、主観的に記憶される年月の長さは年齢の逆数に比例(年齢に反比例)するのだそうです。
つまり、年少者にはより時間が長く感じられ、年長者ほど短く感じられるのです。
例えば、50歳の人にとって1年間は人生の50分の1ですが、5歳の子供にとって1年間は人生の5分の1になり、年齢を重ねるほど、1年の相対的な長さがどんどん短くなってしまうというわけです。
子供は初めて経験することが多く、一つ一つの出来事に心を動かされることが多いのですが、大人になると、毎日仕事に行っては帰ってくるの繰り返しで生活が単調になり、新鮮味がなくなってしまうのです。
そういえば、子供の頃、 朝の全校集会で校長先生の談話がとても長く感じられた・・・。 部活動ではしんどい夏合宿がとても長く感じられた・・・。 つまらない授業がとても長く感じられた・・・。 楽しみにしていた修学旅行や家族旅行までがとても長く感じられた・・・。 なんてことがありました。
過去を振り返ると、けして良い思い出だけでないのですが(今となっては良い思い出)、少しでも時間の経過を遅らせたいと思ったら、日々の生活が単調にならないように自分の感情が揺り動かされるような生活を送りたいものです。
自分自身は、毎日が単調にならないように4〜5日おきにブログを更新しているのですが、書いて安心したと思ったら、あっという間に時が過ぎて更新期日を迎えてしまうのが悩みです(笑)。
まだまだ私の生活も感動が足りないようです。
今日はどんな感動(ハプニング?)が待っているのかドキドキ(ハラハラ?)しながら、一日を過ごしたいと思います。 |
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2020年8月20日(木) |
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第180話 お盆の風景 |
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投稿:星野 |
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お盆は亡くなった祖先の精霊を迎えて感謝を捧げる日本の大切な行事の一つで、お墓参りするのが習わしです。
ある患者さんの自宅を訪問した際、隣の寺に広がる墓地を見渡したところ、それぞれの墓前はたくさんの花が飾られており、故人といつまでも心の中で繋がっていようとする日本人の優しさに触れた感じがしました。
しかし、今年は、コロナの影響で外出を控えたり、親族が集まることができなかったり、体力が落ちてお墓参りができなくなったという方も少なくありません。
そんな、ある患者さん宅では、自宅の中に新たに祭壇を設けて、丁寧にお供え物や花を添えられていました。
そして、お墓や仏壇のお供えには線香が欠かせません。
古代の仏教には、死者はにおいだけを食べるとされ、良い香りの線香をあげることは、個人の霊を鎮め、極楽に導くという想いが込められているのだそうです。
そして、線香の香りは、私たち自身の煩悩を鎮め、心身を清めるという役割もあり、私自身、この香りを感じるといつも身が引き締まる思いになるのです。
今年のお盆は、訪問診療で着衣にしみ込んだ線香の香り(蚊取り線香の香りも混じっていますが・・・)と亡くなった私の祖父母や父の在りし日の姿を感じながら心穏やかに過ごしたいと思っています。 |
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2020年8月15日(土) |
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第179話 終戦記念日を前にして |
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投稿:星野 |
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8月15日の終戦記念日を前に、この時期は太平洋戦争や原爆投下の話題がメディアでも取り上げられます。
多くの犠牲者を出した戦争。
戦争を知らない私たちでも、そこから何を学ぶことができるのか、何を学ぶべきか考えることができます。
2016年、当時のバラク・オバマ米国大統領が現職の大統領として初めて被爆地・広島を訪れ、演説を行いました。
オバマ大統領は、演説の中で「なぜ私たちはここに来るのでしょうか?広島へ」と何度も問いかけ、そして語りかけます。
そして最後の問いかけの中で「愛する人たちのことを考えるかもしれない、そのためにです。子供たちの朝の微笑み。食卓でそっと触れる伴侶の手のやさしさ。心地よい親の抱擁。そして知るのです。それと同じ家族のかけがえのない瞬間が71年前にあったことを。犠牲になった方は私たちと同じなのです」と述べています。
原爆を開発製造し、広島・長崎への投下に主導的な役割を果たした米国の軍幹部は、数年後被爆地を訪れ、徹底的に破壊された街や、後遺症に苦しむ人を目の当たりにして、「広島と長崎は、この恐ろしい兵器が私たちの手で、そして私たちに対してけして使用されてはならない理由を示す証である」とその手記の中で述べています(※)。
一方、原爆を投下された日本。
一部の指導者は、米国が原爆を開発したという情報を得ていたものの、深刻に考えてはいませんでした。そして、多くの犠牲者を出し、最悪の結末を迎えるまで戦争終結の判断を下すことが出来ませんでした。
時の指導者の思惑、行動、決断の果てに多くの尊い命が失われる戦争。
しかし、今もなお、世界中に、憎悪、差別、誹謗、中傷・・・人々を分断させる力が無くなることはありません。
長崎に原爆が投下された後、患者の治療にあたっていたある医学生は、それでも神になお祈りを捧げるクリスチャンをみて、最初はなぜこんな惨い試練を与える神に祈りを捧げるのか疑問に思ったそうです。しかしのちに、「その祈りは、原爆を落とした人も含めて人間が犯した罪に対する謝罪の祈りだったのではないか。全てを失った人間の最高の尊厳を見たのではないかと思うようになりました」と懐述しています(※)。
私たちは、一度下した決定や行動の果てに何が起こるのか想像しなくてないけません。 私たちは、一度下した決定や行動を内省する謙虚さを持たなくてはいけません。 私たちは、一度下した決定や行動を時に止める勇気を持たなくてはいけません。 私たちは、人としての尊厳とは何なのか考え続けなくてはなりません。
※8月6日に放送されたNHKスペシャル 「証言と映像でつづる原爆投下・全記録」より
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2020年8月10日(月) |