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第119話 バージョンアップ |
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投稿:星野 |
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私が今まで担当した患者さんには、多くの「ゆきお」さんがいらっしゃいましたが、今日は、その中のある「幸男」さんのちょっといい話です。
ある日、幸男さんの診察をしている時でした。
傍らには奥さんが優しく見守っていらっしゃいます。
私が診察の終わりに幸男さんに向かって、「幸男さんの名前の通り、これからも奥さんと幸せに過ごしていきましょう!」 すると幸男さんは、「私の名前の幸男のおの字は男ですが、実は男ではなく夫の方が良かったんです」
この意味は、両親が名付けてくれた幸男さんも、奥さんと結婚し、幸せな夫、幸せな夫婦になることができたというのです。
つまり、奥さんと結婚し、奥さんと二人三脚の生活をしているうちに、幸男さんから幸夫さんに見事にバージョンアップしたのです! 幸男と名付けたご両親も、きっと喜んでいることでしょう。
えっ、この言葉を聞いた私はどんな気分だったか?
もちろん、その日はとても温かくて幸せな気持ちに包まれ、「福男」になったような気分でした。 |
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2019年12月2日(月) |
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第118話 自分の名前 |
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投稿:星野 |
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2019年11月27日(水) |
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第117話 いい夫婦の日 |
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投稿:星野 |
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今日は、11月22日で「いい夫婦の日」でした。
私が今まで訪問してきた家庭で、とても素敵だと思えるご夫婦に数多く出会ってきました。
その中でも、とても印象深いご夫婦があります。
それは80代の女性Aさんご夫婦です。
実は、Aさんのご主人は、もうお亡くなりになっているのですが、ご主人と共に歩んだ長い人生について、Aさんは昨日の出来事のように嬉しそうに、そしてちょっぴり恥ずかしそうに話して下さいます。
そして、話に添えられる言葉はいつも「とても優しい人だったのよ」
そして今、部屋に置かれたご主人の遺影は、いつも優しくAさんを見守っています。
ご主人の遺影の周りには、好きだった果物、お菓子、甘酒が必ず置かれ、Aさんの変わらない愛情が今でもご主人に注がれています。
Aさんご夫婦から学んだことがあります。
「たとえ伴侶を失ったとしても、いい夫婦というのはちっとも色褪せたりしない」
今日、帰宅して妻に聞いてみました。
私「今日は何の日だか知っている?」 妻「いい夫婦の日でしょ。それで?」 私「・・・・。」 |
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2019年11月22日(金) |
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第116話 どっちか迷ったら・・・ |
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投稿:星野 |
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人は外見では判断がつきにくいことがあります。
例えば、赤ちゃんです。
最近は、ベビー服の色で性別がわかることも多いのですが、以前は男の子か女の子か見分けがつかないことがありました。
こんな時は、まずは、「かわいいですね。女の子ですか?」と聞いておきましょう。
最初の「かわいい」を強調しておけば、たとえ男の子だったとしても、聞かれた親は悪い気がしないでしょう。
訪問診療では、女性の年齢の見分けがつかないことがあります。
私の場合、患者さんの娘さんを、奥さんと間違えて大失敗したことがあります(笑)。
この失敗から得た教訓は、「どっちか迷った場合は、年齢が若い方に言っておく」です。
まずは、「娘さんですか?」と聞けば、聞かれた相手が奥さんであっても悪い気がしないでしょう。
話が変わりますが、診療の合間での話です。
ある施設職員のお腹が出ているので、「もしかしておめでた?」と恐る恐る聞いてみたところ、「はい、そうです!」
この答えに、思わず「あ〜自腹でなくてよかった!」とこぼしてしまい、私も聞かれた職員も大笑いでした。
もちろん、こんな質問ができるのは普段から顔を合わせているからで、面識のない人にするのはやめておいた方がよいでしょう。
ともあれ、元気な赤ちゃんが生まれますように!
この職員に赤ちゃんが生まれて性別に迷ったら・・・「とてもかわいい女の子だね!」と声をかけようかと思っています。 |
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2019年11月19日(火) |
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第115話 心境の変化 |
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投稿:星野 |
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誰の人生にも、大切な人との別れは必ず訪れます。
そして、その悲しみや喪失感からどう向き合い、立ち直り、乗り越えていくのか、人生のテーマの一つかもしれません。
前回、「奇跡とも言える父との縁に感謝し、父が大切にしていた心を受け継いでいくことで、この悲しみから立ち直ろうと思います」と記しました。
父が亡くなってから1週間が経過し、自分自身の心境の変化について書きたいと思います。
亡くなった直後は、喪失感や、もっと何かやってあげられることがあったのではないか?という思いが尽きなかったのですが、その後、私の心境に変化が生じてきました。
亡くなる瞬間まで、父らしく精いっぱい生きた 最期は苦しまずに、私たちとお別れの言葉を交わすことができた 残された私たちは、父とのたくさんの思い出を共有することができた 残された私たちは、父の大切にしている心を受け継ぐことができた 父にとって最愛の母が、父のために悔いなく介護をやりきることができた
もちろん、全くやり残したことがなかった、悔いがなかったというわけではありません。 しかし、父の死を悲しむのではなく、父の今までの人生を肯定的に考えることで、次第に前を向いて生きていく力が生まれてきています。
今回、父との別れを経験し、人にはそれぞれの人生があり、家族があることを強く意識する貴重な機会になりました。
この貴重な機会を無駄にしないよう、「その人らしく生きる」とはどんなことなのか、想いを巡らせながら生きていこうと思います。 |
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2019年11月16日(土) |
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第114話 死を乗り越える |
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投稿:星野 |
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11月7日、最愛の父が亡くなりました。
一人になると、涙が溢れてきます。
父が元気な頃は、父の存在は当たり前のような感覚でいましたが、どんなに近くて強い絆で結ばれた間柄でもいつかは終わりがきます。
当たり前だと思っていた時に、もっとしてあげられることはなかったのか?という思いが尽きません。
地球には多くの生物が存在していますが、人として父の子供に生まれてきたことは奇跡的なことです。
形あるものは、変化しながらいつかは終わりが来る。しかし、その人の残した心は、次の世代に受け継いでいくことができます。
この奇跡とも言える父との縁に感謝し、父が大切にしていた心を受け継いでいくことで、この悲しみを乗り越えようと思います。
そして、それが父に対する最大の供養になると信じています。
皆さんの周囲にも、その存在が当たり前だと思っている大切な人がいることと思います。
だからこそ、もっとしてあげられることはなかったのか?と後悔しないよう、今を大切にしていきたいものです。 |
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2019年11月12日(火) |
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第113話 思いを伝える |
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投稿:星野 |
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人間誰でも、人生の終わりがやってきます。
患者さんの死に立ち会うことをお看取りすると言いますが、残された家族にとってよい看取りとは何でしょうか?
もちろん、「患者さんの苦痛が少ない」、「亡くなる時に立ち会うことができた」、ということも大切なのですが、家族にとって良い看取りとは、「家族が患者さんに思いを伝えられた」、「患者さんから家族に対して思いを伝えられた」ということが最も重要なのです。
今まで 照れてそんなこと言えなかった、という方もいらっしゃると思いますが、今こそ大切な人に思いを伝えましょう!そして、大切な人からのメッセージを受け取りましょう! |
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2019年11月7日(木) |
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第112話 父との約束 |
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投稿:星野 |
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先週の週末、新潟の実家に1泊だけ帰省しました。
それは、父との約束を果たすためです。
ここ数年、めっきり体力が低下し、今年から特別養護老人ホームに入所していましたが、私が帰省した時に実家に外泊する約束をしていたのです。
この日に合わせて、施設では、夕食に食べる嚥下食を用意し、ポータブルトイレを貸して下さいました。
介護タクシーに乗って、父にとって半年ぶりの帰宅です。
実家では、簡易ベッド、座椅子を使った背もたれ、ベニヤ板で作ったテーブルを用意し、この日に備えました。
父が生まれてからずっと過ごした実家は築100年以上。
家族で食卓を囲んだ日、一緒に屋根の雪下ろしをした日、酒を酌み交わして饒舌に語った日、母と口げんかした日・・・。
実家には、家族の思い出が染み込み、この場所で起こったことが昨日のことのように思い起こされます。
今は、自力で起き上がることもできなくなり、眠ってばかりで口数も少なくなってしましましたが、久しぶりの実家に気分がよさそうです。
すっかり痩せてしまった体に涙が出そうになりましたが、今までの感謝の気持ちを込めて食事の介助、トイレの介助、清拭、着替えを行いました。
深夜、隣で寝ていたところ、ドスンという音がして慌てて目を覚ますと、案の定、柵のない簡易ベッドから転落していました。トイレに起きようとしたようです。
しかし、あらかじめ座布団をマット代わりに、三重に敷き詰めていたので、全くケガはありませんでした。
父をゆっくりと抱きかかえてベッドに戻すと、小さな声で「どうもな」と言葉を発しました。
あと、どれくらい親孝行ができるかわかりませんが、今日、約束を果たせて本当良かったと感じました。
翌朝、母が、来年の年賀状を見せてくれました。そこには、父が施設で創作した俳句が添えられていました。
来年の正月に、仙台にもこの年賀状が届きますように・・・と願いながら実家を後にしました。
訪問診療での患者さんには、私の父と年齢が重なる方が大勢いらっしゃいます。
ご家族の心の中に、父や母と過ごした日々が良い思い出として刻まれるよう、役割を果たしていきたいと改めて思いました。 |
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2019年11月2日(土) |
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第111話 衰える男子 パート2 |
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投稿:星野 |
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前回に引き続き、過去から現在、そして将来、男性に起こりつつある危機について触れたいと思います。
人には、姓を決める遺伝子が乗っているX染色体とY染色体があり、これらは姓染色体と呼ばれています。
女性の場合、父親と母親の両方からX染色体を引き継ぐので姓染色体の構成はXXとなり、男性の場合、父親からY染色体、母親からX染色体を引き継ぐので姓染色体の構成はXYとなります。
2002年に、Y染色体は退化の途中にあり、やがて滅亡してしまうかもしれないという報告がなされました。
太古の昔、X染色体、Y染色体とも、それぞれが持っている遺伝子の数は同じでしたが、その後、Y染色体の遺伝子は減少の一途をたどり、今やX染色体が持つ遺伝子の数1098に対してY染色体は78しかなく、実際、見た目もX染色体に比べると小さく弱々しい感じです。
これは、Y染色体は子供に直接受け継がれるため、突然変異やコピーミスがあっても修復が難しく、この結果、どんどん劣化し、500〜600万年後にはY染色体は消滅するかもしれないと予測されているのです(※)。
ちょっと衝撃的ですね。
これが本当だとしたら、将来、精子バンクに保存された精子を使って、数万年後の女性が妊娠するという「超歳の差カップル」が誕生するなどということもありうるのかもしれません。
しかし、精子バンクに保存されていた精子が底をついてしまったら・・・。
以前、「Yの悲劇」という長編推理小説が流行しましたが、こんなコワイ話にならないよう、Y染色体にはいつまでもワイワイと元気に生き残ってほしいものです。
(※)Y染色体は安定しているという学説があったり、Y染色体の遺伝子は他の染色体に移動して男子は存続するという学説があったり、今とは全く違う生殖を行う新人類が現れたりするという学説があったり、現在も論争が続いています。 |
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2019年10月29日(火) |
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第110話 衰える男子 パート1 |
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投稿:星野 |
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しつこいようですが、今日も人類滅亡につながるかもしれないシナリオを書きます。
それは、精子の劣化による生殖能力の低下です。
昔は不妊症の原因が女性にあるとされ、子供を産めない女性への風当たりが強かったのですが、不妊症の半分は男性側に原因があります。
この40年の間に、男子の精子数が半分以下になったことが2017年に報告され、男性の持つ精子の数は近年減少の一途をたどっているのです。
その上、運動できない精子や、奇形を持った精子が増え、受精できない精子を持つ男性が増加しています。
その原因ははっきりと解明されていませんが、肥満、飲酒、喫煙、ストレス、睡眠不足などのライフスタイルの変化や、環境ホルモンと言われるプラスチックなどの化学物質が体内のホルモンバランスに影響を与えているのではないかと言われています。
その結果、デンマークでは、自然妊娠の数が低下し、人工授精などによって出生率を維持しているそうです。
しかし、生殖技術の発達は、精子の競争力をさらに低下させ、さらに精子の劣化につながる可能性も秘めています。
日本では、晩婚や未婚が進んで出生率も低下し、今や人口減少時代に突入していますが、今後は子供が欲しい時に妊娠できないケースが増え、「産まないのではなく、産みたくても産めない時代」が到来しつつあります。
恋愛に積極的になれない受け身の男子を「草食系男子」などと呼んだりしますが、今後は「外見や態度は肉食系だけど精子は草食系」という男子も増えてくることでしょう。
今、「生殖系男子」を維持していくにはどうしたらよいか真剣に考える時が来ています。
※今日、宮城県でも大雨の警報が出されています。皆さん、万全の態勢でお過ごしください。 |
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2019年10月25日(金) |