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 第308話 高所恐怖の克服の仕方
投稿:院長

都市部での在宅医療では、マンションに訪問するケースが多いのが特徴の一つです。

マンションでの訪問診療では、来客用の駐車場が狭く、時には路上に車を止めて運転手を残して訪問したり、最寄りのコインパーキングに駐車したりして苦心しながら訪問しています。

そして最近は、タワーマンションと呼ばれる高層マンションに訪問することも増え、今までの最上階はなんと29階です。

これほどの高所から眼下を眺めると、路上を歩く人や車がとても小さくなり、高所が苦手な私は、背筋を凍らせながら通路を歩くことになります。いくら命綱やパラシュートがあったとしても、バンジージャンプやスカイダイビングする人の気が全く知れません。

しかし、最近は高所にも少しずつ慣れてきて、タワーマンションの訪問を楽しめるようになってきました。

それは、青葉山近くのタワーマンションに訪問したことがきっかけです。

患者さんの部屋から外を眺めると、伊達政宗公の銅像がなんと同じ目線の高さにあり、仙台市街はもちろん、曲がりくねった広瀬川のせせらぎや、遠くには天まで透き通るような空と太平洋上を航海する汽船や牡鹿半島まで見渡すことができ、その景観がとても素晴らしかったのです。

そして、ある診療が立て込んだ日、このタワーマンションに訪問する頃には、あたりはすっかり夕闇に包まれていました。訪問が遅くなったことを患者さんにお詫びしながら部屋に入ると、窓の外から飛び込んでくる幻想的な夕焼けや仙台の夜景の美しさに目を奪われることになりました。

これは、患者さんとの出会いが与えてくれたご褒美に違いない・・・そう感じることができました。

伊達政宗公は、娘の五郎八姫(いろはひめ)が徳川家康の六男、徳川忠輝に嫁ぐ前に姫を仙台に呼び寄せた時、城下をろうそくや焚き火の明かりでライトアップさせ、姫を迎えたと言われています。なんと粋な演出なのでしょう!伊達政宗公が自分と同じような景色を眺めていたであろうと想像するだけで感慨深くなりました。

こうして私の高所恐怖症は、訪問診療を通して「高所快感症」に置き換わる日が来るかも?しれません。


2023年4月29日(土)

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