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 第304話 囲い込む
投稿:院長

仙台市出身の囲碁棋士で、先日、囲碁の主要タイトルの一つである棋聖を防衛した一力遼さんの直筆サイン入りの本(田中章さん著:二刀流の棋士・一力遼)を手にする機会がありました。

本の中で、囲碁の実力を高めるためには謙虚さが大切な要素であり、その理由として、神が知っていることが100だとすると、人間がわかっていることはせいぜい5か6に過ぎず、ただひたすら残りの90%以上の未知の領域を追求していくしかないからだ、と述べられているのがとても印象に残りました。

どんなに成功を収めても、自分の技量を磨くことには限りがありませんし、謙虚にとことん物事を追求する姿勢は資質が備わっていないとなかなかできないことですし、またそういう姿勢が自分を成長させてくれるはずです。

そういえば、謙虚にその道を追求する姿勢は、囲碁にとどまらず、将棋のトッププロである藤井聡太五冠や羽生善治九段、野球の二刀流として大活躍している大谷翔平選手、IPS細胞の発見でノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥先生にも当てはまるのではないかと思います。彼らは成功を収めても、今なお、真摯に追求していくことをやめようとしません。

また、一力棋聖の直筆のサインには禅語の一つで「今、この瞬間を大切に生きる」という意味を表す「而今(じこん)」という言葉が書かれており、謙虚に物事を積み重ねて今に至った一力棋聖らしい言葉だと感じました。

この姿勢は、医療や介護の世界にも通じるもので、私も生涯勉強していこうと改めて思いました。

囲碁は対戦する二人が交互に碁石を置いて、自分の碁石で囲い込んだ領域を競う盤上のゲームの一つですが、その道を極めようとするトッププロには、人の心まで囲い込んでしまうような魅力が備わっているものだと感じ入り、すっかり一力遼さんの虜になってしまいました


2023年3月15日(水)

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