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 第303話 六拍子
投稿:院長

何回か脳梗塞を起こした結果、手足の麻痺や失語が残った状態で、ほぼ寝たきりの状態で退院した患者さんがいます。

しかし、帰宅後は、ご家族の方針で「自分でできることは自分で行う」、「介助や見守りが必要なところだけ家族が補う」という絶妙なバランスで介護を受けて過ごしていたところ、今では自力でトイレまで歩行し、衣服を着替え、簡単な言葉のやり取りができるようになりました。

病院では、患者さん一人では時間がかかってしまうようなことは、医療・介護スタッフが行ってしまうことも多く、リハビリを行う時間があったとしても、必ずしも実践的なものとは限りません(もちろん自宅の構造を意識して実践的なリハビリを行う施設もありますが)。

その点、自宅では、日常生活という実践の中から驚くほど身体機能が回復される方が少なくありません。

自宅では、病院より時間の制約が緩く、とにかく時間がかかってもいいから一人で行うという環境がむしろ患者さんの自立を促します。

また、この患者さんは無類のスポーツ好きで、いろいろなスポーツを自宅のテレビの大画面で観戦することが楽しみの一つとなっています。

スポーツ選手が躍動する姿を見て大いに刺激を受け、自分の生活に生かしているのでしょう。

先日、この患者さんの自宅を訪問した際、野球のワールドベースボールクラシックの開幕を間近に控え、JAPANの横文字の入った野球帽を被って、ユーモアたっぷりに出迎えて下さったのでとても嬉しくなりました。

野球では、総合的に優れた野手を「走る、打つ、走る(走攻守)の三拍子が揃った選手」と表現したりしますが、この患者さんは、今や、「歩く、食べる、出す(便)、話す、楽しむ」という六拍子が揃った家庭人なのです!


2023年3月5日(日)

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