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 第294話 余命宣告
投稿:院長

在宅医療を受けるがん患者さんの中には、紹介元の医師から余命宣告を受けている方も少なくありません。

Iさんもそのうちの一人で、初めての診察では、残された時間のことが頭から離れず、精神不安で元気がありませんでした。

「病院の先生からあと半年くらいと言われているのですが、本当にそうでしょうか?」

私は、「医者の私が言うのも変なんですが、医者の余命宣告って外れることも多いんですよ。あと数か月と言われて何年も生きた方をたくさん知っています。いつまでも思い悩んでも何一ついいことはありませんので、今を楽しく過ごしませんか?」「生き生きと生活して皆を驚かせてやりましょう!」と伝えたところ、患者さんはそれ以降、別人のように、今を楽しめるにようになりました。

医師による余命宣告は、それぞれの医師の経験や、いくつかの予後予測スコアを参考にして行われていますが、それが数か月単位、年単位の場合は、患者さんに対して短めに伝えられることが多いと思います。

それは、楽観的な予測を伝えて、実際に亡くなるまでの期間がそれよりも大幅に短くなってしまうと、遺族が納得しない場合もあるからです。

さらに、伝える側には、患者さんの心理状態に気を配り、貴重な時間を大切に過ごしてほしいといった配慮が求められますが、自分の余命を他人事のように事務的な雰囲気で伝えられて傷つく患者さんも少なくありません。

未来のことなんて超能力者でない限り、誰も正確に言い当てることなんてできません。

不確かな未来のことを思い悩むよりも、今の自分に何ができるのか、今、どんなことを楽しめるのか、今をポジティブな気持ちで過ごしたいものです。

人として生まれた以上、健康であろうとなかろうと誰もが限りある命。

その限られた時間を大切にするのは皆同じ。

医者の予測なんて大いに外れさせてやりましょう!


2022年11月28日(月)

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