第283話 夏の風物詩 |
投稿:院長 |
8月2日、3日に3年ぶりに開催となった長岡花火を、テレビとYouTubeの生配信で観覧しました。 長岡花火の由来は、1945年8月1日、戦時中に連合艦隊司令長官・山本五十六の故郷である長岡市に起きた米軍のB29爆撃機による空襲に遡ります。翌1946年8月1日、焼け野原になった長岡市で早くも復興祭が開催され、1947年には、空襲で亡くなられた方の慰霊、鎮魂、戦争からの復興、恒久平和への願いを込めた花火大会が復活し、毎年8月2日と3日の2日間、花火が打ち上げられるようになりました。 画家の山下清画伯(1922年〜71年)は、大の花火好きで知られ、1949年に長岡花火を訪れ、代表作の版画「長岡花火」が生まれました。 その版画には、満天の星空に、色とりどりの夜空に咲く大輪の花火と、多くの観客が埋め尽くして観覧する今と変わらない長岡花火の風景が描かれています。 山下画伯は、「みんなが爆弾なんかつくらないで、きれいな花火ばかりつくっていたらきっと戦争なんて起きなかったんだな」というメッセージを残しました。 そして、昨日、3年ぶりに開催となった仙台市の花火大会もテレビで観覧することができました。 思えば、花火が大衆文化になったのは、太平の世と言われた江戸時代とされています。 平和の象徴である花火大会が各地で再び開催されるようになり、日本の花火には先人の様々な思いが想いが込められていることを噛み締めながら、夏の風物詩を堪能することができました。 そして、テレビや生配信を見て思ったことは、「花火を観覧する人の顔って、誰もが生き生きとしてとっても良い表情だな〜」ということです(長岡花火には人の心を揺り動かすような“泣ける花火”もありますが)。おそらく、自分が会場で直接観覧したときも同じような表情をしていたに違いありません。来年も、花火大会を楽しむ人々の表情を見て楽しもうと思っています。 |
2022年8月6日(土) |
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