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 第282話 報いの時
投稿:院長

7月25日、仙台医療センターで開かれた緩和ケア研修会で、昨年、仙台医療センターから当院に紹介され、自宅でお看取りしたある患者さんの在宅医療の様子を発表する機会がありました。

この患者さんは、血液悪性疾患で長期間、化学療法と呼ばれる薬剤治療を受けてきましたが、やがて薬剤の効果がなくなり、在宅緩和ケアを当院で担当しました。

最近は、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液悪性疾患に対する薬物治療の発展は目覚ましいものがあり、その疾患の特殊性から、患者さんは血液内科専門医の元で長い間治療を受けることになります。

しかし、あらゆる治療に効果を示さなくなったり、薬の副作用や、持病の悪化などから、治療の継続が困難になる患者さんも少なくありません。

この研修会で、本人やご家族が、終末期をどこでどのように過ごすかという意思決定に、医師や看護師の皆さんが、真剣に向き合いながら深く関わっていることを知りました。

そして、病院の方々からバトンを受けた私達は、患者さんの診察を通して、患者さんが自宅で過ごしている時間が、夫婦や親子の絆を再確認し合うという貴重でかけがえのないものになっていることを知ることができました。

そして、自宅で過ごす時が、長くて時には苦痛を伴うような治療に耐え抜いてきた患者さんにとって、今までの苦労に報いるご褒美のような時間だったように思います。

この会で、患者さんは温かな家庭でとても充実した時を過ごされたことを、仙台医療センターの方々に報告することができ、とても良かったと感じました。

コロナ禍にあって、今まであれだけ苦労してきたのだから、最期は自宅で過ごしたい、最期は自宅で看取りたいという要望が非常に高まっているように思えます。

自宅で過ごす時が、今まで頑張ってきた患者さん、支えてきたご家族、患者さんに関わってきた関係者にとって報いの時となるよう、在宅緩和ケアの果たす役割の重要性を改めて考える良い機会になりました。

この会を開催し、発表の機会を与えて下さった仙台医療センターの関係者の方々に感謝いたします。


2022年7月31日(日)

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