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 第280話 慈悲の瞑想
投稿:院長

78日に、安部元首相が選挙応援演説中に銃撃され、お亡くなりになるという痛ましい事件がありました。

銃規制の厳しいこの平和なはずの日本で、政治家が多くの聴衆の前で銃弾に倒れるという信じられない事件にショックを受けました。

安倍元首相の政治手法には賛否両論がありましたが、国内や世界各国から届く数多くの哀悼のメッセージは、安倍元首相の残した大きな足跡を証明するものだと思います。政治家として志半ばで凶弾に倒れられた安倍元首相に対し、心よりご冥福をお祈りしたいと思います。

過去を振り返ってみると、1900年代初頭に、現役の首相が政治信条の違いから過激的な人物に暗殺されるということが度々ありました。

1909年の伊藤博文首相、1921年原敬首相、1936年高橋是正首相、1932年犬養毅首相、1936年斎藤実首相です。

当時は、第一次世界大戦、関東大震災、世界恐慌に端を発する昭和金融恐慌、日中戦争勃発など、日本が今までに経験しなかったような政情不安な時代背景がありました。対して、東日本大震災をはじめとするたび重なる災害、ロシアのウクライナ侵攻と西欧諸国との対立、北朝鮮の不穏な動き、出口の見えないコロナパンデミックなど、人の情緒を不安定にさせるような現在の世情が当時に似通っているようにも思えます。

人の不安を落ち着かせる方法の一つに「慈悲の瞑想」というのがあり、自分の周囲にある全てのものに感謝し、その幸せを願う気持ちを持って瞑想することで、ストレスを軽減させ、幸福感が高まることが示されています。

具体的には、目を閉じ、背筋を伸ばして自分と自分の大切な人の幸せや苦痛からの開放を心の中で唱え続けるのです。

「私と、私の大切な人がずっと幸せでありますように」

「私と、私の大切な人が、嫌なことや辛いことから開放されますように」

「私と、私の大切な人に、楽しいことが訪れますように」

私はこれに加えて、就寝前にベッドの中で、以下のような願いを心の中で唱えるようにしています。

「全ての患者さんが辛いことから開放されますように」

「戦禍の中にある人々が安心して過ごせる日が一刻も早く訪れますように」

最近、すでに放送を終了したNHKの朝の連続ドラマ小説(通称朝ドラ)カムカムエヴィリバディをオンデマンドで視聴しているのですが、このドラマの主題歌の歌詞が、慈悲の瞑想のイメージにぴったりでびっくりしました。

 

君と私は仲良くなれるかな

この世界が終わるその前に

きっといつか儚く枯れる花

今、私の出来うる全てを

笑って笑って 愛しい人

不穏な未来に 手を叩いて

君と君の大切な人が幸せであるそのために

祈りながら sing a song


私の場合は、「祈りながらsing a song」ではなく、「祈りながらgo to bed」なのですが、慈悲の心がすべての人に届くことを願わずにはいられません。 


2022年7月12日(火)

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