第271話 サクラサク |
投稿:院長 |
待ち望んだ桜の季節がやってきました。 仙台でも数日前から桜が満開となり、西公園ではライトアップされた桜を見学に来る人で賑わっていると報道されていました。 普段の診療でも、往診車の車窓から見事に咲き誇った桜の景色を見て楽しんでいます。 しかし、患者さんの中には、外出が困難で桜を見ることができない人が少なくありません。 そこで、そんな患者さんのために、外出中にスマートフォンで写真撮影をした桜を、診察中に患者さんに見てもらうことにしています。 世界的に見ても、ひと種類の花が咲くのを国中で待ち焦がれて話題にすることは珍しいことのようで、桜の花は古くから様々な歌に詠まれて日本人に愛されてきました。 例えば平安時代の歌人、在原業平(ありわらのなりひら)は「世中(よのなか)にたえて桜のなかりせば、春のこころはのどからまし」(世の中に桜の花などなければ、春は心をのどかにして過ごせるだろうに)と詠み、桜のことで落ち着かない気持ちを表現しています。 そんな私も、桜に季節になると、「せっかく満開になったのに風や雨で散ってしまうのはもったいないな〜」とか、「有名な桜の名所で花見ができるなんてうらやましいな〜」とか、「もっと良い写真撮影スポットはないかな〜」などと、在原業平のように落ち着かない日々を過ごすことになってしまいます。 今年はどうかというと、長男が高校受験の年になり、3月の合格発表まで例年よりもひと足早く落ち着かない日々を過ごしていましたが、第一志望の高校が「サクラサク」という喜ばしい結果となり、昨日からの風雨で満開の桜の花が散りかけても、例年よりも落ち着いた気持ちで過ごすことができています。 |
2022年4月15日(金) |
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