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 第267話 母の存在
投稿:院長

在宅医療を通して、母の存在の大きさをあらためて感じています。

ある患者さんは、二人の子供たちの運動会を見るために、治療を受けていた病院を退院し、在宅医療を選びました。

生きることに前向きで、常に明るさを失いませんでした。

退院を心待ちにしていた子供たちは、運動会では、精一杯走って踊って母に成長した姿を見せることができました。そして、家族とたくさんの思い出を作りました。

そして、今まで愛情で優しく包み込んでくれた母に対して、精一杯の恩返しをしました。

ある患者さんは、病気が進んでも、人としての優しさ、落ち着き、尊厳をけして失いませんでした。

お嫁さんに対しても、まるで自分の娘に接するように人として優しく接してくれました。

病気が進んで、安静にしている時間が長くなっても、そこにいてくれるだけで安心できる存在でした。

そんな母に対して、息子さんご夫婦は、今までしてきてくれたことに対して感謝を込めて精一杯の介護をしました。

どんな事があっても、常に自分の味方になり、寄り添い、嬉しいときには一緒に喜び、つらいときは一緒に悲しみ、たっぷりの愛情で包み込んでくれる世界でたった一人だけの母。

人は生まれる前に、母の子宮に包まれ、守られ、育まれてこの世に生を受けます。

在宅医療を通して家族の姿をみていると、胎児の頃から脈々と刻まれてきた母の愛情の深さを感じることができます。父(男)としてちょっと嫉妬を感じなくはないのですが、父とは違った母の愛情です。

在宅医療では、そんな母に対して、不器用でも、皆さんがたくさんの恩返しをする手助けをしていきたいと感じています。


2022年3月15日(火)

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