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 第261話 食育
投稿:院長

患者さんの中には、在宅診療を受けるまで、それぞれの病気のために食事を制限している方が少なくありません。


ある患者さんは、腸の病気のために、しばらく米飯を我慢してきました。


病気が悪化することを懸念して、周囲も食べさせることに慎重でした。


しかし、限られた時間の中で「本人の願いを叶えさせたい」という思いでそれを許可することにしました。


そして、その1週間後に訪問すると、患者さんの表情が今までとは見違えるように生き生きとしており、患者さんにとって炊きたてのご飯(しかも銘柄はコシヒカリでした)の持つ意味を深く感じることになりました。


ちなみに、私が今まで一番美味しいと感じた米飯は、栗原市のマラソン会場で参加者に配られていたササニシキのおにぎりです。


こうして、新潟出身の私と宮城県在住の患者さんとの間で、コシヒカリとササニシキのエール交換ができました。


別な患者さんは、肺や心臓の病気のため、体に負担がかからないよう余分な塩分を制限してきました。


しかし、利尿剤による治療が奏効し、むくみや息切れが改善した頃、患者さんから質問を受けました。


「スルメイカを食べても良いですか?」


今まで数多くの食べ物のリクエストを受けてきましたが、スルメイカは初めてです(笑)。


スルメイカと聞いて、子供の頃、家族で茶の間のテーブルを囲んでスルメイカをむしゃむしゃ食べていた頃の懐かしい記憶が蘇ってきました。


私は、今までの患者さんの苦労や我慢に報いるつもりで即座に許可の返事をしたところ、むくみが取れてくしゃくしゃになった顔がさらにくしゃくしゃになるくらい満面の笑みが返ってきました。


次の診察では「スルメイカを楽しめましたか?」と逆に質問してみるつもりです。


「食育」といいますが、これは、「食事の重要性と楽しさを理解し、健全な食生活を実践できる人間を育てる」という意味で、主に子供に対して用いられる言葉です。


しかし、「生きる力を与えてくれる食事の重要性」も在宅医療の文化として育んでいきたいと思っています。

 


2022年1月25日(火)

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