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 第255話 記憶にない
投稿:院長

全国の100歳人口は8万6千人余りとなり、昭和45年の310人から51年連続で最多を更新しているそうです。


訪問診療でも100歳を超える患者さんを診察する機会は珍しくはなく、どのような方が健康で長生きされるのかとても興味を持っています。


女性Mさんは、もうすぐ100歳を迎えますが、なんと独居生活を送ってきました。


私が経験する最も高齢のひとり暮らしの方で、初めてお会いした時は、部屋はきちんと整理され、上品な装いにびっくりしてしまいました。


話をするととても穏やかなのですが、「もうすぐ100歳の誕生日を迎えられるのですね。おめでとうございます!」と話しかけると「えっ、私はまだ90歳ですよ」とそれを否定され少し不機嫌になりました。


自分はまだ若いという思いがMさんを支えているに違いありません。


Sさんは104歳で、私が医師として経験する最高齢の男性です。


Sさんも、自分でお茶を入れたり、洗濯物を干したりすることができ、お風呂上がりにお酒を嗜むのが日課になっています。


私が「104歳でもこんなに元気でいられるなんて素晴らしいですね!」と話しかけると「えっ、俺はまだ93歳だよ!」とやはり自分が100歳を超えていることを否定され不機嫌になりました。


きっとSさんも、自分はまだ若いと思いが自分を支えているのでしょう。


しかし、Sさんは自分の父親の年齢(95歳?)を超えることが大目標になっており、私は「Sさんなら絶対に超えられますよ。104歳まで確実に長生きできます!」と太鼓判を押しています。


先日、初めて診察したKさんは、あと数年で100歳を迎えますが、内服薬を一切服用しておらず、過去の履歴を調べてみても入院した形跡が全くありません。


息子さんにこれをお聞きしたところ、「おふくろが入院したことは全然記憶にないですね〜」との答えが返ってきました。


どうやら、健康長寿の秘訣は「記憶にない」ということなのかもしれませんね。


Kさんの初めての「主治医」として健康長寿を支えていきたいと思います。


2021年12月8日(水)

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