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 第38話 ピンピンコロリは理想?
投稿:星野

よく、自分が死ぬときはピンピンコロリで逝きたい、などと言われますが本当にそうでしょうか?

 

おそらく、ピンピンコロリが望ましいと考える人には、「長い間の介護で家族に迷惑をかけたくない」という気持ちが少なからずその根底にあるようです。

 

しかし、突然の死というのは、人生でやり残したことがある、大切な人とのお別れの時間が十分にできない、ということにもなりかねません。

 

私は、理想の死というのは、「自分の人生を後悔なくやり切る」「自分の死を受け入れられる」「苦痛が少なく穏やかに過ごせる」「お別れの時間の中で大切な人と思いを伝えあうことができる」というところから生まれるような気がしています。そして、それは自分の人生を振り返り、自分が生きてきた意味を見いだす貴重な時間を作り出すことから始まります。


そして、残された家族は、最愛の人を亡くすという悲しい出来事の中にも、十分にやり尽くした、思いを伝えあった、というポジティブな経験を通して、最愛の人の思いは家族の中で生き続け、家族が前を向いて生きる原動力になっていきます。

 

医師として多くの患者さんのお看取りを行ってきた経験から、多少寝込むことがあっても、徐々に死に向かっていくという「ネンネンコロリ」という最期も、人としてけして悪くはないのではいか・・・そう考えるようになりました。

 

理想の福祉・医療・介護とは、「寝たきりになったら家族に迷惑がかかってしまう」という発想が生まれない、皆で支え合い分かち合うことのできる社会を実現することかもしれません。

 

病気や介護で不安になった時は、まずは遠慮せず周りに相談してみましょう。きっと手を差し伸べてくれる人がいるはずです。

 

新しい出会いが、皆で支え合い分かち合うという第一歩なのです。



2019年2月24日(日)

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