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 第243話 せっかくの精神
投稿:院長

最年少で将棋のメジャータイトル3冠を獲得したプロ棋士の藤井聡太さんに注目しています。


まだ若いのに、けして奢らず、常に謙虚で努力する姿勢が素晴らしいですね。


彼が初タイトルを獲得したのは、昨年コロナの流行でしばらく公式戦が中断した後でした。この期間中、じっくりと自分の将棋に向き合い、自分の将棋を整理するための時間に使ったそうで、ピンチを見事にチャンスに変えたのです。


オリンピックのマラソンで2大会連続のメダルを獲得した有森裕子さんは、彼女を指導した小出義雄監督がお亡くなりになった時、小出監督から受けた心に残る教えをこう振り返っています。


「私、故障ばかりで。故障すると、『有森、なんで?と思うな。“せっかく”と思え。意味のないことなんてなにもないんだ。どんなことが起きてもせっかくと思え』と。どんなことが起きてもせっかくと思えたから、どれだけ故障しても立ち向かえた。ちゃんと向き合ってくれたことに感謝しかありません」


患者さんの中には、食事が十分でなく経管栄養や静脈栄養を受けたまま紹介される方がいますが、トラブルで栄養のチューブや点滴のルートが閉塞したり、外れたりすることがあります。


そんな時、「せっかく外れたのだから、もうすこし頑張って食べてみよう」としばらく様子を見ていると、食事量が増えて人工栄養が必要なくなった方もいます。


ちなみに、今年の夏、クリニックのクーラーが故障していることが判明したのですが、コロナの流行下、すべての窓を常に開け続けて風通しの良い(生ぬるいですが・・・)環境で過ごすことができました。


「なんで故障したんだ!」って思わなくて良かった(笑)。


世の中、予期せぬ出来事の連続ですが、失敗してもうまくいかなくても、「せっかくの精神」で、汗をかいて努力した先に、何か良いことが待っているかもしれません。


せっかく人間に生まれたんだもの・・・。 


2021年9月19日(日)

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