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 第238話 おじさん、オズの魔法使いを読む
投稿:院長

オズの魔法使いの原作の一部を読む機会があったので、その感想を記したいと思います。


主人公の12歳の女の子ドロシーと飼い犬のトトは、ある日竜巻に巻き込まれ、家ごとオズの国に飛ばされてしまいました。そこへ北の魔女がやって来て、「銀の靴」を授けてくれます。さらに、カンザス州に戻る唯一の方法は、「エメラルドの都」にいるオズの魔法使いに頼むことだと教えてくれました。


そうしてドロシーとトトは旅に出ますが、道中で「脳を望むかかし」「心を望むブリキのきこり」「勇気を望むライオン」と出会い、彼らもオズの魔法使いに願いを叶えてもらおうと、一緒に「エメラルドの都」に向かいます。


ドロシーたちは、予期せぬ出来事に遭遇しながら何とかオズの魔法使いのもとにたどり着きますが、実は彼は魔法使いではなく、ただの平凡な老人でした。


しかし、脳を望むかかしにこう伝えます。

「何かを毎日学んでいる君には必要はないよ。経験が知識をもたらす唯一の方法だ。この地上にいれば、君はより多くの経験を得るはずだ」


勇気を望むライオンにはこう伝えます。

「君にはたくさんの勇気がある。自信を持つことだ。怖がらない生き物はいない。真の勇気は、怖い時に危険に直面する中にある。君にはそのような勇気をたっぷりと持っている」


心を望むブリキにはこう伝えます。

「君はすばらしい心を持っている。欠けているものは人からの感謝だ。どれだけ愛するかじゃなくて、どれだけ人から愛されるかが大事なのだ

そして、ドロシー。旅の途中で出会った南の良い魔女から、ドロシーの履いている「銀の靴」こそが、願いを叶えてくれるものだと教えられます

ドロシーがかかとを3回打ち鳴らして願いを口にすると、彼女の周りの景色はカンザス州の自宅の近くに変わっていました。

オズの魔法使いには、作者のライマン・フランク・ボームによっていろいろなテーマが盛り込まれていると思いますが、その中で特に感じたのが、自分にはないと思い込み、それぞれが長い間求めていたものは、すでに全員に備わっていたということです。しかも、かかしもライオンもブリキも、自分にないことを嘆いていただけでなく、それを補おうと日々努力していたのです。そして、ドロシーが求めていたものはカンザスの自分の家に帰ることでした。しかし、最初から自宅へ導くことができる「銀の靴」の魔法の力を知っていたら、素敵な仲間との出会いや友情、そして様々な苦難を乗り越えることによって得た彼女の成長もなかったことでしょう。そして彼女は、我が家の大切さを教えてくれます。There is no place like home.(我が家にまさるところはないのよ)


子供の頃に、次はどんな展開が待っているのか、純粋に楽しみながらドキドキしてこの物語を読んだのですが、この歳になって、在宅医療に結びつくような教訓を探しながら読む変な癖がついてしまいました。


私に足りないものは、次はどんな展開が待っているのかドキドキするような純粋な遊び心なのかもしれません。えっ、すでに備わっている?


2021年8月17日(火)

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