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 第393話 総合診療
投稿:院長

今月、プラモデル制作で有名なプロモデラーによる講演会が仙台で開催されることを知り参加してきました。


この講演会には、宮城県や遠くは関東からプラモデルを趣味とする「オタク」が自作したプラモデルと持ち寄って集まり、それぞれの自慢の作品について添削・指導を受けたり、製作上の悩みについて相談に乘ってもらう企画があります。


私は、日本でよく知られている船や宇宙船のプラモデルばかりを作っていますが、その中から、今年6月から制作を開始し、今も悪戦苦闘して未だに完成していないアメリカ海軍の戦艦ミズーリを持っていくことにしました。


戦艦ミズーリと言えば、194592日に東京湾に停泊していたミズーリの甲板で行われた日本の降伏文書調印式です。日本側は重光葵外務大臣らが全権代表として出席し、連合国側はマッカーサー元帥などの代表者が降伏文書に署名し、太平洋戦争が正式に終結しました。


この戦艦ミズーリのプラモデルは、数十年前にタミヤから発売されたとても古いキットなのですが、当時の最新の考証に基づいた正確な設計が反映され、各パーツが丁寧に造形されており、製作していると「モノづくり日本」を随所に感じられる、そんな素晴らしさを感じました。


せっかく作るのだから、できるだけ正確にきれいに作りたいという気持ちになり、このプラモデルに他社から発売されているエッチングパーツという細かい金属を加工して接着したり、専用の工具を使って各パーツごとに塗装していくことになりますが、このプロセスがとても難しく、きれいに・・・という気持ちが強くなればなるほど、泥沼にハマってさらに時間がかかってしまうことになりました。


それでも講演会の当日は早朝4時に起床して、開始時刻ギリギリまで制作したところ、未完成ながらもなんとか形になり、丁寧に段ボールで梱包し、まるで生まれたての赤ちゃんを大切に抱っこするように会場に運びました。


会場では、私のような船のモデルは少数でしたが、それぞれの参加者の工夫が随所に見られて目の保養になりました。


プロモデラーによる添削・指導では、細かい造形の失敗には目をつむって下さり?甲板の細かい塗装の塗り分けについて、お褒めの言葉をいただき、少年のような気持になってモチベーションがさらに高まりました。


講演会で驚かされたのは、プロモデラーの豊富な経験と知識です。


プラモデルはガンダムやフィギュア、戦車、車、軍艦をはじめとする船、宇宙船など多岐にわたりますが、参加者のどんな質問や悩みに対しても実用的で的確な答えが返ってくるのでとても勉強になりました。


まさにプラモデルの総合診療!もちろん、私の疑問や悩みも無事に解決。


総合診療は私の医師としてのライフワークになっていますが、プラモデルを通して信頼される仕事の取組み方について考えるよい機会にもなりました。


ところで、私がプラモデルにハマればハマるほど完成品を安全にどの場所に置くのか問題が発生しています。


自宅では家族に煙たがられ、職場に持ち込んでも職員の増員によりスペースが確保できなくなり、事務長に「持って帰ってください」と言われる始末・・・。


現在、来たる総理大臣の指名選挙に向けて各党入り乱れた政策協議が続いていますが、我が家でも「安全保障」と「難民対策」について取り組みが必要なようです。



2025年10月17日(金)

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