第377話 カッコいい |
投稿:院長 |
今月、3年前に亡くなった患者さんの息子さんからはがきをいただきました。 息子さんは元球児で、シアトルマリナーズで活躍した大魔神こと佐々木主浩さんの高校の後輩でもあり、患者さんも高校野球や楽天イーグルスの熱烈なファンでした。 私も小学校時代は野球少年として、夏休みになると甲子園大会の第一試合から第四試合までテレビにかじりつくほどだったので(最高試合と語り継がれる1979年の箕島高校と星稜高校の伝説の18回の熱戦を観戦したのは今も私の自慢です)、患者さんのご自宅にうかがうと自然と野球の話で大変盛り上がったのを懐かしく思い出しています。 はがきには、「長嶋茂雄さんは他人の批判をしない」、「野村克也さんは礼儀作法や身だしなみがだらしない選手は試合に使わない」、「星野仙一さんは選手には厳しいが裏方さんには優しい」と書かれていました。 大選手や名監督のレベルになると、誰もが共感できる哲学や信条を持っているもので、それぞれの人柄・個性を端的に表現しており感心させられました。 私がプロ野球界で一番尊敬している人は王貞治さんです。私が小学生の頃に飼育していた手乗りインコには「貞治(さだはる)」と名前を付けるほどの大ファンで、インコに対して親しみを込めて名前を呼び捨てにしていました(笑)。 そして、父と野球観戦で初めて訪れた後楽園球場(今は東京ドームになっています)で放った豪快なホームランは今も忘れられない大切な思い出になっています。 王貞治さんといえば、読売ジャイアンツ時代の華々しい活躍ばかりに目を奪われがちですが、決して奢らず飾らず、忍耐と努力の塊のような実直な人柄で、小学生の私にはそれが何よりもカッコよかったのです。 話が変わりますが、昨年末、全国高校サッカー選手権に宮城県代表として出場した東北学院高校が1回戦で兵庫県代表の滝川二高と対戦しました。 私はこの試合をテレビで観戦していたのですが、滝川二高の応援席には「怯まず 驕らず 溌剌と」というサッカー部員の信条が書かれた横断幕が掲げられており、高校生らしい清々しい内容に「カッコいい!これだ!」と直感しました。 怯まず (ひるまず):どんな状況でも臆せず、勇気を持って挑戦する姿勢。 驕らず (おごらず):どんな結果が出ても、慢心せずに謙虚な姿勢。 溌剌と (はつらつと):元気に、活気よく、意欲的な行動。 ということで、職員が生き生きとして働く診療所を目指して、「臆することなく謙虚な気持ちを持って溌溂と行動し、忍耐・・・じゃなくて努力していこう!」と職員に呼びかけるつもりです。「○○さん、カッコいいね!」とお互いに言い合えるように。 |
2025年4月30日(水) |
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