第372話 別れの季節 |
投稿:院長 |
3月1日、長男の高校の卒業式に出席してきました。 式では男子は主にスーツ、女子は主に袴を見事に着こなし、あれほど幼かった子供たちがいつの間にか立派な大人に成長した姿に感慨深いものを感じた親も多かったでしょう。 式では、形式すぎないように随所に工夫が凝らされ、生徒たちが誇りを持って母校を旅立っていく姿が感じられ、とても感動しました。 式が終了すると、それぞれの教室に移動して最後のホームルームを見学することができました。 私は、担任の先生とは初対面になりますが、まるで金八先生が現代に蘇ったような人柄で、目を何度もハンカチで拭いながら生徒たちに語り掛けました。 先生が生徒に最後に贈った言葉は「日日是好日(にちにちこれこうじつ」でした。 これは、これから長い人生、必ずしも順風満帆なことばかりでなく、時にはつらく悲しいことにも出会うかもしれないが、どんな日も自分にとってかけがえのない一日であり、1日1日を大切にして生きてほしいという願いが込められています。 情熱的に語りかける担任の先生に、人間味が散りばめられた温もりを感じることができ、長男はとても恵まれた環境で勉強していたんだな〜と感激しました。 そして、担任の先生から一人一人に卒業証書が渡されたあと、各人が担任の先生、クラスメート、両親に向けてスピーチしました。 各人が個性あふれる内容で、涙あり、笑いありのこれも感動的なものばかりで、教室の後ろで見守る親も、涙を浮かべながら聞き入っていました。 実は、私自身の高校の卒業式を思い出しても、恥ずかしながら担任の先生が何を話して下さったのか、どういう思いで卒業式に出席したのかまったく記憶がなく(記憶があるのは、卒業式の後、サッカー部の仲間と打ち上げをしたことだけ・・・)、今後は、「高校の卒業式の思い出」を聞かれたら、日日是好日のことを話そうかと思っています。 それにしても3月は別れの季節です。 別れには「悲しい別れ」と「喜ばしい別れ」がありますが、卒業式の別れは、寂しさはあるけれど、それぞれの夢に向かって次の人生の第一歩を踏み出す喜ばしい別れなのかもしれません。 わが診療所では、ご主人の転勤や出産で3月いっぱい退職となるドクターや女性職員がいます。 いずれも「夫についていく妻」「母としての妻」として、家庭円満があるからこその別れで、これも卒業式と一緒で、次のステップに進むための喜ばしい別れに違いなく、日日是好日の言葉を贈って温かく送り出そうと考えています。 そして、いつの日か人間としてさらに成長した姿(私の場合は老化した姿・・・)になって戻ってきてほしいと願わずにはいられません。 |
2025年3月7日(金) |
<< 第371話 全自動 2025.2.28 |
第373話 白菊 >> 2025.3.19 |
はじめのページに戻る |