第368話 殿堂 |
投稿:院長 |
メジャーリーグで活躍したイチローさんが、日本人で初のアメリカ野球殿堂入りを果たしました。 野球殿堂とは、野球で顕著な功績を残した人物に与えられる最大の栄誉で、過去にはベーブ・ルースなどそうそうたる野球選手が殿堂入りを果たしています。 野球の成績だけでなく、プロフェッショナリズムや品格、チームへの貢献度なども選考基準とされ、メジャーリーグで4256本の最多安打記録を持つピート・ローズ選手や762本の最多本塁打記録を持つバリー・ボンズ選手でさえ、野球賭博や薬物使用に関与したとされて殿堂入りを果たせませんでした。 メジャーリーグで10年以上プレーし、引退から5年が経過している元選手の中で候補者が選ばれ、全米野球記者協会に所属する記者の75%以上の得票を得ると殿堂入りを果たすことができます。 今回、2019年に引退したイチローさんが初めてその候補者入りし、野手で初となる満票での選出が期待されていましたが、得票率は99.7%(394人中393人!)とわずかに1票足りず、満票での選出を逃しました。しかし、殿堂入りしたイチローさんが初の記者会見で語ったことがとても印象的でした。 「振り返ると、あまりにも多くの出来事があった。いいことだけではなく、苦しいこともたくさんありました。最終的に一歩ずつここに近づき、この日を迎えられたことは言葉では言い表せないほどの気持ちです」 「1票足りないというのは、凄く良かったと思います。足りないものを補いようがないですけど、努力とかそういうことじゃないからね。いろんなことが足りない。人って。それを自分なりの完璧を追い求めて進んでいくのが人生だと思うんです。これとそれはまた別の話なんですけど、不完全であるというのはいいなって。生きていく上で不完全だから進もうとできるわけです。そういうことを改めて考えさせられるというか、見つめ合える。そこに向き合えるのは良かったなと思います」 イチローさんは、ウイットに富んだ様々な言葉を残してきましたが、人生必ずしも思うようにいかなくても前に進むための勇気やエネルギーを与えてくれる頼もしい言葉に違いないと感じました。 ところで、殿堂という言葉を聞くと、某ディスカウントストアのキャッチコピー「激安の殿堂」「驚安の殿堂」を思い出しますが、やまと在宅診療所が「思いやりの殿堂」になれるよう、イチローさんの言葉を胸に一生懸命に取り組んでいきたいと思います。 |
2025年1月30日(木) |
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