第366話 犬がくる |
投稿:院長 |
明けましておめでとうございます。 少し遅れましたが、今年初めてのブログになります。 昨年末に足を骨折し、ここ数か月の間、整形外科に通院しながらシーネ固定を受けていた患者Kさんがいます。 骨折当初、足の痛みが続き、以来「果たして骨折は治るのだろうか?」と、ずっと不安に悩まされることになりました。 たびたび診療所や訪問看護ステーションに電話でコントロールできない悩みや不安を訴え、職員は傾聴を続けました。 それでも、次第に痛みがなくなり、固定をしたまま車椅子に移動できるようになり、少しずつ明るい兆しが見え始めました。 そして、12月の整形外科の診察で、「骨折部は順調に治ってきています。あと数週間で固定が外れそうです」と伝えられてからようやく笑顔が増えてきました。 ある日の訪問診療で、私はKさんにここまでよく頑張ったことをねぎらい、あと少しだから頑張りましょうと激励すると「足が治ったら、犬を飼うことにしたんです!それを楽しみにして頑張ります!」ととびきりの笑顔で応えてくれました。 話が変わりますが、2020年の大河ドラマは「麒麟(キリン)がくる」とのタイトルで戦国武将・明智光秀に焦点が当てられました。麒麟とは王が仁のある政治を行う時に必ず現れるという架空の動物のことで、番組公式サイトには「応仁の乱後の荒廃した世を立て直し、民を飢えや戦乱の苦しみから解放してくれるのは、誰なのか…そして、麒麟はいつ、来るのか?」と記されました。 戦乱の世が一刻も早く終焉し、太平の世の始まりとともに現れる麒麟を誰もが待ち望んでいたんですね。 Kさんにとっては、幸せを運んでくる動物は麒麟ではなく、「犬がくる」と言えそうです。今年は、Kさんにとって良い年になるに違いありません。 それにしても、今年は巳(へび)年なのですが、Kさんが「蛇を飼うことにしたんです!」と言わなくて良かった・・・(笑)。 皆さんにとっても良い年でありますように。 今年もどうぞよろしくお願いいたします。
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2025年1月13日(月) |
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