第364話 年末の大掃除 |
投稿:院長 |
今年もあとわずかとなり、年内に終わらせなければならないことが少なくありません。年末の大掃除もそのうちの一つかもしれません。 昔は家の中にかまどや囲炉裏があり、家の中が煤(すす)だらけにならないように煤払いしたのが大掃除のルーツとされています。 そして、掃除が必要なのは家の中だけではありません。 在宅患者さんは、ご家族から援助されながら身体各所をケアしていますが、当人だけでは手が回らない部位がいくつかあります。 変形した足の爪や耳の穴の中です。 12月のある日、Sさんのご自宅を訪問した際、ご家族からSさんの耳の掃除を依頼され、これも「年末の大掃除」ということで引き受けることにしました。 同行する看護師にペンライトを使って耳の穴を照らしてもらいながら、Sさんの耳の穴の中を覗いてみると、案の定、びっしり耳垢で埋め尽くされていました(笑)。 慎重に手前にある小兵の耳垢から除去を進め、最後に今まで見たことがない超大型の「耳垢の総大将」を引っ張り出した時には、それを見た一同から歓喜の声があがるほどでした。 ご家族「訪問看護師さんにも見てもらいたいので、大事に保管しておきます!」 耳垢を除去した後は、難聴気味だったSさんの聴力が回復しているのがはっきりとわかりました。 診療所に戻った後、記念としてタブレットで撮影した「耳垢の総大将」をスタッフに見せて感動を共有しました。 耳垢を除去することは、単に除去する以上の様々な効果をもたらすことがよくわかり、来年も耳垢除去の鍛錬を重ねてスキルアップを目指していきたいと感じました。 最後に、今年もたくさんの喜び、安心、感動を教えてくださったSさんとご家族に感謝したいと思います。ありがとうございました! そして、高額なアンチエイジングに必死に取り組んでいる方々に、年齢を重ねても自分らしさを失わず自然体で過ごしているSさんの耳の垢を煎じて飲ませたい!
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2024年12月26日(木) |
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