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 第231話 名は体を表す
投稿:院長

老人施設には様々な名前が付けられていますが、入所するお年寄りが穏やかに過ごしてもらえるよう開設者の願いがそこに込められていることが多いと思います。

 

やすらぎ、ゆとり、くつろぎ、ほほえみ、ふれあい、ほのか、いこい、のどか、しずか、ぬくもり、なごみ、いやし・・・。

 

そのような名前がついた施設では、入所者だけでなく、温厚で穏やかな職員が多く、とてもアットホームです。

 

その一方で、認知症特有の介護抵抗、暴言、徘徊を示した高齢者に対して、何かにつけて薬物的な対応を求めてくる施設もあるのですが、本来、敬われるべき高齢者の精神や人格までを真っ先に薬でコントロールしようとすることに賛成できません。

 

そのような施設では職員に余裕がなく、入所者に対する言葉使いや態度が冷ややかでちょっと殺伐とした雰囲気です。

 

施設全体の雰囲気は入所者だけで決まるものではなく、経営者や職員の雰囲気が入所者に伝わり、施設全体の雰囲気に大きく影響を及ぼすのです。

 

物忘れが進んで、体験した一つ一つの出来事は忘れても、人としての感情(嬉しかったこと、悲しかったこと)は心に刻まれており、嬉しかった時は安心し、嫌な思いをすれば不安になり行動に表れることが多いのです。

 

それは、認知症であろうがなかろうが、少しも変わりありません。

 

今、介護職員の労働環境が問題になることが多いのですが、だからこそ、介護の原点を見つめ直し、職員も高齢者も気持ちよく過ごしたいものです。

 

「名は体を表す」と言いますが、老人施設で付けられている穏やか言葉は、本来、人が持つべき心のありようを示しています。

 

自分も歳をとったら、やすらぎ、ゆとり、くつろぎ、ほほえみ、ふれあい、ほのか、いこい、のどか、しずか、ぬくもり、なごみ、いやし・・・こんな環境で平穏に過ごしてみたいなぁ・・・。 


2021年7月3日(土)

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