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 第347話 幸せの黄色いテープ
投稿:院長

患者さんのご自宅には、現役時代に頑張ってきた歴史が刻まれています。

87歳の男性Sさんは、もと印刷業で、自宅ではDIYDo ItYourself)もこなす職人肌で活動的な方でした。自宅には今も作業場が残されており、患者さんの部屋に入るには、この作業場の中をくぐり抜けることになりますが、そこには長年活躍した機器や工具などが所狭しと置かれています。

Sさんが今過ごしている部屋は作業場に隣接しており、Sさんは人生で最も輝いていた時の余韻を感じているに違いありません。

先日、Sさんの踵にできた褥瘡(床ずれ)の外科処置をご自宅で行った時のことです。

処置が終わり、患部をガーゼで保護しようとした時、ガーゼを皮膚に固定するため息子さんから渡されたテープはなんと黄色のマスキングテープ。知る人ぞ知るDIYやプラモデル工作の塗装に欠かせないテープで、息子さんがホームセンターで買い求めたものでした。このテープは、Sさんの皮膚にとても馴染んでいるのです!

長年、Sさんの作業を支えた工具が、今もSさんの身体ケアに応用されていることにとても感心しました。そして、この黄色のテープに、Sさんを献身的に支え続ける奥さんや息子さんのSさんへの想いを感じることができました。

Sさんがこれまで生きてきた証は、長年住み慣れた自宅、工具、ご家族の心に見事なまでに刷り込まれて、これからも生き続けていくでしょう。


2024年6月18日(火)

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