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 第331話 生まれて初めて
投稿:院長

Mさんは、息子さんの介護を受けながらとても穏やかに過ごされている、深夜のおやつと寝ることが大好きで、注射が大嫌いな90代の女性です。

普段はとてもおとなしい方ですが、言葉を発するととてもユーモアたっぷりで、診察ではいつも笑いが絶えません。

先日の診察でMさんが自分の長い人生を振り返って出てきた言葉です。

「あ〜、こんなに長生きしたのは生まれて初めてだなゃ〜」

生まれて初めてこの言葉を聞いた私は思わず大爆笑。

きっとMさんの前世は、平安時代に枕草子を書いた清少納言のような感性豊かな女性だったかもしれません。

清少納言のような女性が、今のような時代を生きたら、もっと長生きしてMさんのようなたくさんのエピソードを生み出したでしょう。

春はかまぼこ。やうやう白くなりゆく、山ぎは少し明かりし頃(日が昇ってだんだんと白んでいき山際のあたりが少し明るくなった頃)、冷蔵庫の中から探し出したる、柔らに細く切りたるかまぼこいとおかし(趣があっておいしい)。

冬はなべもの。雪のふりたる日はいうべきにもあらず。いと寒きに、ふすま(布団)など急ぎくるまって寝るはいとつきづきし(冬にはとてもぴったりだ)。昼になりて、寒さぬるくゆるびもていけども(せっかく寒さが緩んできても)、往診の医者が来て注射するは、いとわろし。

Mさん、良い年をお迎えください。そして来年もよろしくお願いします!


2023年12月28日(木)

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