第319話 恵みの雨 |
投稿:院長 |
昨夏の高校野球の甲子園大会で仙台育英高校が優勝し、今年の夏の休日は高校野球をテレビ観戦することが増えました。 特に、東北地方や新潟県代表校の戦いには目が話せません。 そんな中、8月13日は、岩手県代表の花巻東高校と、北北海道代表のクラーク記念国際高校が対戦したのですが、途中で激しい雨が降り出し、試合が1時間以上も中断するというハプニングがありました。 テレビ中継も中断すると思ったのですが、なんとそのまま番組は続けられ、試合が再開するのを待っていました。 そんな中、興味深かったのが、甲子園のグランド整備に当たっている阪神園芸のスタッフの一糸乱れぬグランド整備です。 他の球場だと、雨が止んだとしても、グランドコンディションが悪化し、とても試合どころではないはずなのですが、阪神園芸のスタッフが甲子園のグランドに出て整備を始めると、あれよあれよと言う間に水たまりがなくなり、何事もなかったように無事に試合が再開されました。 私はその模様をテレビで食い入るように見つめていたのですが、ひとりひとりの動きに無駄がなく、連携がとれたスピーディーな整備は見事という他はありませんでした。 甲子園で数々のドラマが生まれてきた背景には、数多くの裏方と言われる人々が支えていることを改めて知る機会になりました。 さらに、アルプススタンドのクラーク記念国際高校応援団の雨の中の即興演奏には球場全体が大きな拍手に包まれ、ラジオで解説を務めた京都・龍谷大平安高校野球部監督・原田英彦さん(指導者としてどのように人を育てるのかという著書のある情熱あふれる方で、皆さんも是非一読ください)による、試合が中断中も途切れない高校野球愛に満ちた濃密なトーク術も大きな話題になり、高校野球の一体感を感じることができました。 こうして、雨によって普段の高校野球では味わえない「神整備」、「神演奏」、「神解説」をいっぺんに楽しむことができ、高校野球ファンにとっては、野球の神様が与えてくれたに違いない“恵みの雨”となりました。 |
2023年8月21日(月) |
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