第314話 幸せを運ぶ果物 |
投稿:院長 |
ある患者さんの次回の診察で血液検査を予定していたのですが、ご家族から「次の診察では血液検査を延期してもらえませんか?」と電話で事前に相談がありました。 その理由をお聞きすると、「診察の前日に山形の親戚が果物を持って自宅に来ることになっているのですが、果物を食べたあとに血糖が上がるのではないかと心配なのです」との返事でした。 私はこの要望を受け入れ、採血は延期することにして患者さん宅を訪問しました。 すると患者さんは、親戚に衰えてしまった現在の自分の姿を見られて落ち込んでしまい、果物は食べずにそのままになっているとのことでした。そこで私は、「それなら今日、採血をしましょう!山形で今が旬な果物と言えば、きっとさくらんぼですね?採血したあとは、もう血糖のことは気にしないで、美味しいさくらんぼをお腹いっぱいに召し上がって下さい!」と話したところ、患者さんは、「はい、さくらんぼです。今日から食べてみます」とニコニコと答えて下さり、その場が和やかになりました。 こうして患者さんが笑顔を取り戻し、私はとてもハッピーな気持ちでその日の患者さんの診察を終えることができました。 ところで、翌日判明した患者さんの血糖値はどうだったのでしょうか? もちろん、「この数値なら、血糖のことはを気にしないで、山形の秋の味覚・ラフランス(西洋梨)食べ放題です!」と患者さんにお伝えしようと思っているところです。 |
2023年6月30日(金) |
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